「The Bard’s Tale Ⅳ: Barrows Deep」新要素・システム解説
「The Bard’s Tale Ⅳ: Barrows Deep」の様々な要素・システム等を解説。ゲームプレイを経て独自に調べたものですが、ゲーム付属のマニュアルもいくらか参考にしています。もし間違っている箇所があったらコメント欄で結構ですのでご指摘いただけると助かります。
2019/8/28 追記
本日ディレクターズカット版がリリース(無印版はアップデート対応)されました。ここに記述している内容は無印版のものとなっています。
導入のストーリー
「The Bard’s Tale Ⅲ」から100年後のSkara Braeが再び舞台となります。Skara BraeではHenred司教率いる”The Temple of the Swordfather”なる宗教組織が冒険者ギルドを悪の組織として民衆に広め、それを口実に冒険者ギルドを滅ぼそうと画策しています。それに加え、Fatherites(Swordfatherの信徒たち)は古き種族(エルフ・ドワーフ・トロウ)を迫害し始めました。プレイヤーは冒険者としてこの苦難を乗り越え、事件の背後にいる者を突き止めなければなりません。
冒険者ギルドの仲間たち
戦闘システム
本作の戦闘は一風変わったシステムを採用しています。ルールを把握すれば自由度が高い戦略的なターンベースの戦闘が楽しめます。
1. 敵を見かけたら
本作は過去作のようなランダムエンカウントではなく、ダンジョンや街を探索時にうろついている敵と接触することにより戦闘が開始するシンボルエンカウント制を採用。うろついている敵に適度な距離まで近づいた状態で敵に視点を合わせると、敵のレベルが表示されると同時に身体が発光し、その発光の色で現在のパーティーにとっての脅威度が識別できるようになっています。緑→黄→オレンジ→赤の順に脅威度が高まります。
また、敵と接触する際に敵の死角(横、背後)を狙うと「First Strike」となり先制攻撃を行うことができます。逆に敵に不意を突かれると「Spotted」となり敵の先制攻撃から始まります。
2. グリッドとポジション
戦闘時、キャラクターは4×2マスに仕切られたグリッド上にポジションを取ることになります。敵も同様。このポジショニングが戦いの流れを大きく左右する戦略性を秘めています。
■ほとんどの行動に影響
戦闘時に行う攻撃、支援などの各アクションには効果範囲が定められています。アクションごとの説明欄で効果範囲が確認できます。効果範囲から外れたポジションにいれば影響は受けませんし与えられません。
■移動
キャラクターはグリッド内を移動できます。探索時ならパーティーメンバーをいつでも好きな位置に配置でき、それが戦闘開始時のポジションになります。戦闘中は「Move」アクションを行えば周囲1マスに限り移動でき、敵の攻撃を回避したいとき、敵を攻撃範囲内に収めたいときに活用できます。また、敵を強制移動させるスキルもあるのでそれらを駆使すると大きなアドバンテージを得られます。
3. 行動(Opportunity)ポイント
ターン制バトルではありますが、キャラクター1人ずつに命令を与えて敵味方一斉に行動を開始するような従来の戦闘ではありません。
まずターンの開始時点で「Opportunity Gems」が3つ(ゲーム初期時)与えられますが、これを分かりやすく「行動ポイント」に置き換えましょう。言い換えると、ターンの開始時点で「行動ポイント」が3ポイント用意されるわけです。これはパーティーで共有する形で、毎ターン適用されます。
各行動には消費行動ポイントが設けられていて、キャラクターは行動ポイントを消費して攻撃や回復などを行います。与えられた3行動ポイントに収まるのであれば、あとはすべて自由に行動ができます。同じキャラクターが何回も行動しても構いません。攻撃や回復などを選択したらその行動は即時発動し、そしてまた次の行動を決めていくという流れなので、従来の「素早さによる行動順」という概念はありません。ですのでキャラステータスには素早さを表すものが用意されていません。このように行動順の縛りがないおかげで高い戦術性を生み出すことができるわけです。「End Turn」を選択したらターン終了となり敵のターンに移ります。
4. フォーカスとメンタルダメージ
敵・味方問わず、キャラクターが発動する技・呪文はいくつかのタイプに分類されます。その中の「Channel(チャネル)」と「Stance(スタンス)」という2つのタイプは「Focus(フォーカス)」という仕組みを有しており、とくに覚えておく必要があります。
■フォーカス
チャネルもしくはスタンスの使用者は「フォーカス(集中)状態」に入ります。フォーカス状態に入った使用者にはフォーカスポイントが与えられHPの上にフォーカスゲージが出現します。これはフォーカス状態を維持するための体力のようなものだと考えてください。フォーカス状態の敵は紫に発光します。
次にチャネルとスタンスの説明をします。
■チャネル(溜めタイプ)
設定されたターン数を経過してから発動する、いわゆる”溜め”が必要なタイプ。溜め中はフォーカス状態に入り、発動したらフォーカス状態は解除される。
■スタンス(持続タイプ)
即時発動と同時に使用者はフォーカス状態に入る。フォーカス状態を維持し続けている間効果が持続する。
チャネル、スタンスともに強力な効果を期待できますが、それは敵にも言えることです。強力なチャネルを使用される前に、もしくはスタンスを使われ不利な戦況が長引かないよう、早めに潰しておきたいものです。そんなときの有効策として、フォーカスポイントにダメージを与えてフォーカス状態を解除できる攻撃手段が存在します。
■メンタルダメージ
技・呪文の中には「Mental(メンタル)ダメージ」というものを与える特殊なものがあります。メンタルダメージはフォーカスポイントにダメージを与えることができる唯一の手段です。フォーカスポイントが0になった者はフォーカス状態が解除されます。
メンタルダメージを与え、敵のフォーカス状態を解除させることに成功すれば、溜め中のチャネルをキャンセルさせられますし、スタンスの持続効果も止めることができます。敵も同じことを考えているかもしれないので使用する際はポジショニングと合わせて注意しましょう。
また、メンタルダメージを与えフォーカスポイントを0にした際、過剰分のメンタルダメージはHPに入ります。例を挙げるなら、フォーカスポイント5の敵にメンタルダメージ8与えたらHPにも3ダメージ与えることができるということです。メンタルダメージはフォーカスポイントだけではなくHPにもダメージを与えることができ、さらにArmor Class(防御力のこと)を無視するという特性を持っています。防御が硬い敵にも有効な攻撃です。
5. Bardの飲酒システム
Bardクラスの特徴で、”戦闘中に飲酒することによりスペルポイント(以下SP)を回復できる”、というものがあります。BardにとってSPは”歌”を歌うために必要なもので、飲酒によって枯れた喉を潤す様をシリーズ代々システムとして表現しているのです。旧作では酒場で酒を注文すると回復できたりしました。
この飲酒によるSPの回復ですが、乱用は禁物です。何故なら、飲みすぎると酩酊状態になってしまうからです。酩酊状態になると1ターン行動不能になります。このシステムに関して具体的に説明します。
まず飲酒すると「Drunk」というアルコール摂取量のようなポイントが溜まっていきます。そのポイントがボーダーラインを超えてしまうと酩酊状態になってしまうわけです。このボーダーラインとなる数値は飲酒するBardの「Intelligence」になります。
上の画像にある「Max Drunk」=「Intelligence」になります。Intelligenceが6のBardは、Max Drunkが6となります。
DrunkポイントがMax Drunkを超えてしまった場合、そのターン中に限りStrengthが2倍になります(酔拳?)。そして次のターンには行動不能になってしまいます。運用次第ではあえて酩酊状態にするのもアリかもしれません。
ステータスの説明
ステータスをアップさせると、そのステータスと直結する攻撃も強くなる、という単純な方程式には当てはまらないケースが見られ、スキル毎に様々な強化条件がある模様。要リサーチ。
ステータス | 説明 |
---|---|
Constitution | 体力。そのまま最大HPになる。 |
Strength | 攻撃力。physicalダメージとMentalダメージに影響。 |
Armor Class | 防御力。数値分のphysicalダメージを無効。毒・出血等のピュアダメージとMentalダメージは影響を受けない。 |
Spell Points | スペルポイント。最大SPになる。 |
Intelligence | 知力。フォーカスポイント等に影響。Bardが飲酒する際のMax Drunkの値でもある。 |
種族(Culture)の特徴
ストーリー冒頭で主人公を作成するとき、冒険者ギルドでパーティーメンバーを作成するときなど。
種族 | パッシブスキル |
---|---|
BAED HUMAN | レベル3/10/18になったときスキルポイント+1のボーナス。 |
EINARR HUMAN | 戦闘中攻撃を受ける度Strength+1増加。 |
FICHTI HUMAN | 戦闘中1回だけ味方がトドメを刺されそうになったときダメージを肩代わりする。 |
OUTLANDER HUMAN | 毒、燃焼、出血 が無効。 |
DWARF | ノックダウン、スタン、ルート(移動不可)、強制移動 が無効。 |
ELF | Intelligenceに+30%、最大スペルポイントに+1 のボーナス。 |
TROW | 敵にとどめを刺したとき、そのターン中につき1度だけOpportunity(行動)ポイント+1獲得。 |
パズルの仕組み
幾度となくプレイヤーの行く手を遮る数々のパズル。各パズルの仕組みについてはこちらの記事を参照ください。
星座像の秘密
冒険しているとよく見かける謎の石像の秘密についてはこちらの記事を参照ください。
エルフのパズルウェポンの仕組み
パズルウェポンなる武器にはある秘密が隠されています。詳細についてはこちらの記事を参照ください。
Skyhengeの星座盤
Forest of InshriachにあるSkyhengeの星座盤の使い方。詳しくはこちらの記事を参照ください。
レガシーモード
シリーズ従来のプレイフィールをもたらす要素。詳しくはこちらの記事を参照ください。
その他の知識
■セーブ方法
道中見かけるセーブポイントは2種類に分けられている。ひとつは調べる度にセーブされる通常のセーブポイント。もうひとつは調べると2つの選択肢が表示されるセーブポイント。選択肢のうち「BIND」を選ぶとセーブができる。「CONSUME」を選ぶとセーブはされずにパーティーに少量の経験値が入る。これはどちらか一方しか効果を得られない上、一度きりなので利用は計画的に。
また、メインメニューに戻ったりゲームを終了させると中断時のデータが自動セーブされ、次回開始時に中断場所から再開できるがその際に中断セーブデータは消えてしまうので注意。
■死亡した場合
戦闘中死亡したキャラは戦闘終了後に最大HPの25%回復した状態で復活します。パーティーが全滅した場合は直前のセーブしたセーブポイントから再開。
■パーティーメンバー作成方法
冒険者ギルドでパーティーメンバーを作成するにはストーリーをある程度進める必要がある。作成する際は冒険者ギルド1階のカウンターにいるMercyに「Mercenary Token」というアイテムを支払わなければならない。Mercenary Tokenはクエスト報酬、敵ドロップ、宝箱、等様々な形で手に入る。
■レシピの覚え方
新しいクラフトレシピを覚えたい場合、レシピが書かれたメモを入手しインベントリ内からINSPECTすることによって覚えられる。
■アイテムを間違って売っちゃった
売ったアイテムは買い取った相手がずっと所持しているのでいつでも買い戻せる。
■アイテムをインベントリ以外に保存しておける所は無いの?
適当な箱や袋の中にアイテムを移しておける。
■敵は有限
一度片づけてしまったエリアに同じ敵が再出現することはありません。しかしストーリーを進めると、過去に訪れたエリアに新たな敵が出現してる場合があります。
■倒しても倒しても復活してしまう敵はどうすればいいのか
いくら倒しても、一体でも敵が生存していると次のターンで復活してしまうので、次のターンに移行しないよう最後に倒し切って戦闘を終わらせるようにするしかない。複数いる場合はダメージを満遍なく与えておいて、その後一気に殲滅できるように敵HPを調節しておくのが効果的。
■スピンオフ作品
余談にはなるが、本編序盤のGaufroi対Alguinイベントの発端となるストーリーが、inXile制作のVR作品「The Mage’s Tale」で描かれている。Oculusストア、Steam、Playstationストアで販売。
Comment
更新ありがとうございます!良ゲー過ぎて一気に進めるのが勿体無いぐらいチビチビプレイしております。
こちらこそお越し下さいましてありがとうございます。
わかります。雰囲気抜群なのでいろんなロケーションをじっくり堪能したくなります。
[…] 「The Bard’s Tale Ⅳ: Barrows Deep」新要素・システム解説 […]
GOGの「FLASH DEAL」で80%オフでしたので購入しました!こちらの記事を参考にしてどっぷりハマってみたいと思っています!ありがとうございます。
リリースされて間もない頃の情報なのでいくらか古い情報になってるかもしれません。
お役に立てれば幸いです。