ポーランドが産んだ伝説的RTS「Polanie」に迫る
GOG.comで6月29日までに「KnightShift」を購入すると「Polanie」が無料で付いてくるキャンペーンが実施中。
ぽらにー?ぽらにえ?なんじゃそれ?GOGストアにも無いみたいだが?これは調べねば!
【2020/5/27】記事内容を一部修正
□Polanie…それはポーランドが産んだRTSゲーム
まずKnightShiftとは。ポーランドのReality Pump Studiosが開発し、 TopWare Interactiveより2003年にWindows・Mac OS X向けに発売された、RTSモードとRPGモードのハイブリッドが特徴的なPCゲーム。2004年には日本語版がライブドアより発売されている。
このKnightShiftというタイトル名は北米向けに採用されたもので、欧州ではOnce Upon a Knightという名になっている。だが本家ポーランドでは「Polanie II」と呼ばれており、その実態はPolanieの続編に当たる作品である。
さてそのPolanieというゲーム、ネット上で調べてもピンとくる情報がなかなか出てこない。それもそのはず、Polanieは当時ポーランド語版、ドイツ語版、チェコ語版のみで販売されていた作品なのだ。出てくる文献がポーランド語ばっかでわけわかめ…。
ここで頼りとなるのはWikipedia大先生。あったあった、ちょっくら見てみますよ。
- 開発はMDF、販売はUSER(聞いたことねぇ…)、当時大学生のMirosław Dymek氏率いるチームが利益目的というよりもポートフォリオの一環として開発。
- 1996年にポーランド初のRTSゲームとしてDOS、Microsoft Windows向けにフロッピーディスクで発売。
- ドイツ語版でのタイトル名はVICTORY、チェコ語版ではOsadniciとなり、ゲーム内容にも一部手が加えられていた。
- 翌97年には新シナリオ、新ユニットを追加した改良版がCD-ROMで発売。
- Slavesと呼ばれるフロッピーディスク版のための非公式英語MODが存在すると一時期噂されていた。(こういう都市伝説好き…)
- 96年にポーランド南部のカトヴィツェで開催されたPlay Boxトレードショーでベストデビューアワードに輝く。
- 販売本数わずか6,000本だったが当時としては驚異的な好記録とされポーランドではカルト的名作と評される。
- ポーランドの先史時代やスラブ神話に結びつけるゲーム性がファンに高く評価される。
- 94年発売の国際的ヒット作ウォークラフトとよく比較される。
ここから波乱万丈。
- 続編Polanie II (KnightShift)リリース後、2004年にその続編「Polanie 3 (KnightShift 2: Curse of Souls)」発表。PCの他、Xbox360、PS3向けに2005年のリリースを予定していた。
- 予定されていた3作目は最終的にRTS要素を全て捨て去り、ファンタジーRPG「Two Worlds」として2007年にリリース。(えっ!?)
- 2011年に「Two Worlds II」リリース。
- 開発チームはPolanieシリーズとの関連性の痕跡を残したがそれに気づいたファンはほとんどいなかった。
- 20周年記念として「Polanie Remake」が2014年に発表。2016年リリース予定だったものの2018年にキャンセルされた。
Wikipedia “Polanie”,”Polanie II”より抜粋
まさか脱線の末Two Worldsになっていたとは…。紆余曲折とはまさにこのこと。ここで肝心のゲーム内容を見てみよう。Youtubeでほんの僅かしかなかったけど動画を見つけた。
Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=1ApdzJUD5DQ
たしかにウォークラフト…ぽい? でも後発のわりにはグラフィックが本家より若干劣っている気がする。とりあえず百聞は一見に如かず、ということでPolanieを拝むためGOGでKnightShiftを購入。
GalaxyからのダウンロードだとPolanieは含まれてないようだ。GOGwebサイトのインストーラーを利用してKnightShift→EXTRASからPolanieのzipファイルをダウンロードできた。これ6/29過ぎたらダウンロードできなくなるかもしれないから永久保存版にしておこう。
【追記】後ほど深堀りして分かったが、ポーランドやドイツのファンサイト?からPolanieを無料ダウンロードできるみたい。だがここではリンク先は掲載しませんし利用の際は完全自己責任ということでお願いします。
中身を見るとオマケにも関わらずご丁寧にDOSBoxが同梱されている。あれ…?マニュアルはないんですかい?
とりあえず起動。うわあああああ!! 読めねえええええええ!!
KnightShiftのストアページにも”ポーランド語が読めない場合プレイはオススメしません”て書かれてはいたけども…。
でもまぁ大体上の方カチカチやればいけるっしょ。いけた。
マニュアルないからわからないことだらけ。最初から戦士やアーチャーのユニットが揃っており、敵との戦闘や村の焼き討ちをしてみたものの、ゲームの流れは掴めず。建物を使用できるのかどうか分からないし右の白いゲージが何を指しているのかが分からん。まさか…牛のミルク?
とりあえず感触としては不明な点が多かったものの面白そうな気配はした。あとで時間ができたらじっくりプレイしてみて、このレアなゲームについて再び触れてみようと思う。