「Pilgrims」クリア感想

積みゲーとともにあらんことを。

周回前提 ポイント&クリックADV「Pilgrims」

ポイント&クリックADV「Pilgrims」を積み崩し。小粒だけど独創的で、プレイ中は素敵な時間を過ごせた。

Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=qxHrjrpE4dg

「Pilgrims」はポイント&クリックADVを世に送り続けているAmantia Designが手掛けた2019年リリースの作品。この手のジャンルにあまり触れないゲーマーでも「サモロスト」や「マシナリウム」の名を聞いたことあるという人は結構いるんじゃなかろうか。このスタジオの作品はいずれも名作としてゲーム史にその名を轟かせている。

「Pilgrims」はPC版がSteam、GOG.com、公式ストア、itch.ioで販売されている他、iOS版も販売されている。

さてさて、まずは「Pilgrims」の特徴を紹介。

□オープンワールド

語弊がある言い方だが、他作品との違いを強調するためあえてオープンワールドと書かせてもらった。
他作品のようにステージのギミックを解いて次のステージへ、という形で進行するわけではない。マップ画面から好きな場所へ移動し、そこで様々なギミックとイベントを試行錯誤しながら体験することになる。行き先を決めるのはプレイヤーの自由。

□全てが手札

プレイ中に入手するアイテムは全て手札(カード)としてストックされ、そのシーンに相応しいアイテムを手札の中から選択することになる。
面白いのは主人公を含めた道中に仲間になるキャラクター達も手札として扱われるということ。キャラクターの性格、特徴、特技なども推理に加える必要がある。そこがまた面白いんだな。

□周回前提

スタートからクリアまでにかかる時間は初見なら30分~50分程度といったところ。その数字だけに注目してしまうと肩透かしを食らうかもしれないが、この作品は何度も周回するプレイが前提になっていると考えられる。
ひとつのギミックにつき複数の解法が用意されていたり、どのシーンでどのキャラにどのアイテムを使わせるかによってイベントの結果が全く異なるものに変化するためだ。ゲーム中に見た各イベントは実績として記録されていき、2周を終えた現在の私の場合、45個中25個の実績が解除されている。全て制覇するにはさらにあと数周プレイする必要がありそうだ。

□感想

ある程度攻略の順番は決まっているものの、一本筋ではない自由が与えられているのが本作の特徴であり面白いところ。その与えられた自由の中で頭を捻るのが最高に楽しいし、難易度は高くないので心地よい時間を過ごすことが出来る。

可愛くデフォルメされたグラフィックは本作の小粒感にフィットしており、無言のキャラ達が織りなすドラマは見ていて飽きない。
誰でも理解できる世界観と複雑な解法が用意されていない本作はポイント&クリックADVとしては敷居が低く、ジャンル入門の手引きとして、もしくはちょっとした息抜きにプレイするのに最適。