パズルADV『DE-EXIT – Eternal Matters』クリア感想
死後の世界を冒険するアドベンチャーゲーム『DE-EXIT – Eternal Matters』をクリアしたので感想をば。ネタバレは避けてますよ。
💀どんなゲーム?
ジャンル | パズル、アドベンチャー |
対応プラットフォーム | PlayStation®5 / PlayStation®4、Xbox Series X|S™ / Xbox One™、PC |
日本語実装 | 字幕あり |
価格 | 2,900円(Steam価格) |
開発 | SandBloom Studio |
パブリッシャー | HandyGames |
◆映画のようなボクセル体験
「DE-EXIT」は、シンプルなボクセルの美学と綺麗なテクスチャが織り成す世界とともに、映画のような複雑な特徴、よりリアルなVFX、そしてモーションキャプチャアニメーションが加わることで驚きを生み出しています。
◆新しい世界への謎の旅
目を覚ますと、魅惑的で超現実的な新世界が広がっています。ここはどこなのか?何をしているのか?何故こんなにも全てが違うのか?多くの疑問と壊れた領域、そして希望に満ちた人でいっぱいの航海を始めましょう。奇妙で予想外の光景と雄大な景色。一体何が起こったのかを突き止め、記憶次元を修復してください。
◆ストーリーがコア
パズル、ステルス、プラットフォーミング、アクションは、映像、物語、世界観を一層際立たせ、臨場感あふれるスリリングな旅への扉を開きます。
◆死とあの世についての考察
死はタブーな話題になりがちです。「DE-EXIT」では、この後ろ向きなテーマを前向きな視点で描こうとしています。死者を偲び、「生への讃歌」を楽しんでいただけることを願っています。
日本語公式サイトより引用
本作をプレイするにあたりTHQ Nordic Japan株式会社様よりSteamキーを御提供いただいております。
💀クリア感想
プレイ時間 | 約18時間 |
ボクセルで描かれた世界に、登場キャラがもれなく骸骨というユニークなルックスが目を引く『DE-EXIT – Eternal Matters』。本作はジャンプアクションをベースに、4種の特殊な能力を切り替えながらパズルやボスに挑戦していきます。まずはアクション面とパズル面それぞれが持つ要素を挙げます。
アクション
- 足場から足場へとジャンプするプラットフォーマースタイル
- 巡回するモンスターの目を掻い潜るステルス要素あり
- 攻撃手段は無し
- カットシーンでQTEあり
パズル
- ブロックを運んだりスイッチで物体を操作するといったオーソドックスな仕組みが多い
- 4種の能力を切り替えてパズルに干渉
ゲーム全体の割合としてはアクションシーン4割、パズルシーン6割といった印象で、半々に近い構成のゲームと言えます。パズルに難解な印象は無く、自身が持つ能力を理解し、観察を怠らなければ突破はさほど難しくないでしょう。パズルの内容はシンプルに作動するものがほとんどで、エリアを広々と使ってるため視覚的に把握しやすいです。複雑な工程を踏む謎解きはあまり出てきませんので、体当たりでもなんとかなる、そんな難易度と言えます。
ストーリーの進行に応じ、段階的に使用可能になる4種の能力を駆使していくのが楽しいですね。ギミックへのアクセスの他にも、環境に影響を与えたり、アクション面に作用するものもあります。適切に使い分けて活路を切り開いてく面白さはアクションとパズルのマッチングならではのものがあります。
なお、冒険の本筋に関わらない探索要素も若干ながら用意されており、各ステージに隠された収集アイテムを集めることで主人公のスキンがグレードアップします。だけどゲーム進行が後戻り不可なことに加え、オートセーブという仕様上、取り逃したら諦めるしかないという(泣)
次は対モンスターについて。本作では敵への攻撃手段が無いため戦闘らしい戦闘は行いませんが、対ボスを含めた一部のシーンではアクション偏重となるため、ピュアなパズルゲームを想定してる方はその点に注意。そのようなシーンではプレイヤーの頭脳ではなく反射神経が試されます。一部のシーンでは要求されるアクションが結構シビアで、かつくどいところが見られ焦燥しました。
ステルスも重要な要素であり、本作の特色の一つとなってます。巡回モンスターの目を掻い潜り、茂みから茂みへと移動したり、樽を被って擬態したりと基本を押さえた作りになってます。姿が透明のため視認できないというチート級能力を与えられてる巡回モンスターですが、主人公の光を放つ能力を使うことで可視化できる点はスリルと同時に異界感が出てて良いですね。
パズルシーンで頭脳を、アクションシーンで反射神経が求められるチャレンジングな構成がDE-EXITの軸であり、それらを駆動させてるのが王道なストーリー。ネタバレを避けるため詳細は伏せますが、謎が謎を呼ぶ展開が続き、スリリングで魅力的なものとなってます。
ストーリーの本筋では触れられないものの、ゲーム内のあちこちで確認できるガッチリと構築された死後の世界観には目を見張るものがあります。ストーリー上のハブとなる町では図書館が用意されており、そこで多くのロアに触れることが可能。冒険の合間にいろいろ考察するのも一興です。
カットシーンではシネマティックな演出がばっちりキマッており、なかなかゴージャスな仕上がり。カメラワークもさることながら、光と影のコントラストと鮮やかなエフェクトがシンプルなボクセル調と相まってとても映えてます。また音楽が全編通して素晴らしい。オーケストラサウンドがシネマ感を一層際立たせてます。
いくつか気になった点にも触れておきます。私が今回プレイしたバージョンでは不具合に出くわす回数が多かったです。スタックしたり、テクスチャをすり抜けて地下世界へ落ちたりといったことがしばしばありました。頻度は低かったもののカットシーンが正常に再生されないときがあり、別のシーンの音声が重なって流れたり、イベントが正常に進行しないケースにも遭遇。幸いにもリロードすることで直ったので進行不能に陥ることはありませんでしたが。
あとはグリッチも見つけました。本来パズルを解いてから立ち入るはずの未到達エリアにゴリ押しで侵入できてしまう箇所をいくつか発見。こちらも進行に影響ありませんでしたが調整が甘い気がします。
総じてアクション、パズル、ビジュアル、アドベンチャーといったゲームの持つ魅力的な要素をぎゅっと凝縮させたタイトルです。上記の通り、気になる点が散見されましたがコア要素となるパズルはうまくまとまってて楽しめました。コンパクトながら、考える楽しさや冒険心に満ちた「骨のある」体験でした。