積み崩し旅21 「Firewatch (2016)」

~積みゲーと共にあらんことを~

Firewatchは見えない何かもウォッチする


Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=WexJcqgismA

積んでた一人称アドベンチャーゲーム「Firewatch」をクリアしたわけだが何から書き出そうか非常に悩むなぁ。
というのもいろいろ書いてしまうとネタバレになっちゃいそうだから。

私自身プレイする前はこの作品について「そこそこ有名な高評価作品?」くらいの認識しかなく、予備知識ほとんどゼロのままプレイに取り掛かったが、結果それで良かったと心から思っている。
もしこの作品を未プレイで内容についてもほとんど知らないという方がいたら、どうかプレイする際はその状態のまま取り掛かって欲しい。絶対にその方がそうではない人の何倍も楽しめるはず。

とりあえず当たり障りのない範囲で紹介していく。プレイ前に抑えといたほうがいい事柄はこの2つくらいでいいと思う。

  • 時代設定は1980年代のアメリカ。
  • 主人公は森林火災監視員として働くことになった、いろんな事があって疲れたおっさん。
    森林火災を監視するという日本では考えられない仕事のことだよ

以下はこの作品の中核を成す3つの要素。ネタバレは控えてます。

1. 広大な森林公園の探索

広大な森林公園を舞台に主人公ヘンリーを操作し物語を進めていく。広大と言ってもオープンワールドゲームのような自由度が用意されているわけではなく、ストーリーを進める都合上ある程度のルートは定められてしまっているが、それでもアイテム探索、マップのアンロック、写真撮影、といったゲームならではの体験がちゃんと用意されている。
ただし全体を通してかなりの距離を歩き回ることになる上ファストトラベルが出来ないので、テンポが速いゲームや昨今の便利な移動システムに慣れてしまっている方にはマイナスに捉えられてしまう可能性がある。

2. 姿が見えない相棒との対話

この作品の評価を決定づける本当に大事な要素。
相棒的な立ち位置となる先輩女性監視員デリラはヘンリーとは別のエリアで働いているためお互い姿が見えない。トランシーバーによる通信でのみやり取りできるわけだが、声だけの存在であるデリラは、単なる話し相手というだけではなく物語の進行役でもあり、そして同時に彼女にも彼女の背景、物語が存在している。
広大な大自然の中ぼっち状態なヘンリー=プレイヤーにとって、姿が見えない彼女との対話が占めるウェイトは凄まじく大きく、彼女と紡いでいく全てがこのゲームの全てと言っても過言ではない。
私がそう思えたのも声優さんの力、そして日本語翻訳の質の高さによるものだと思う。

3. 徐々に謎が深まるストーリー

ミステリーなストーリーも見どころのひとつ。
「手がかりの小出し」・「一人称視点による没入感」・「姿が見えない相棒の存在」といった要素が上手く融合され、静かに忍び寄る不穏な空気感の高まりが上手く演出されている。
これ以上は書かん! 確認したいならプレイした方がいい!

感想

主人公がおっさんだし題材が題材なだけにプレイヤーを選ぶというか、プレイヤーの年齢層でFirewatchの印象が変わりそうな気がする。ある程度社会で揉まれた人の方が味わい深く感じられるんじゃないかと思います。

ヘンリーにはヘンリーの事情があって、見えない相手デリラも何か抱えている。そうやって誰かの背景を想像したり理解しようとすることは、配慮であり、優しさであり、物事を円滑に進めることに繋がる。見えない相手とのコミュニケーションを通じて、そういったことに改めて気付かせてもらえた作品だった。
知らない相手からムッとするような行動を取られても、「この人ひょっとしたらネグレクトされて育ったのかも」、「親の介護で大変なのかも」って想像するだけでちょっと優しくなれるよね。

ちょっと飛躍してしまったが、そういう見えないものに対する想像力は人間に備わっている能力であり、その想像力がこういった作品を生み出したってことを考えると、ゲームであれ、映画であれ、ものづくりってつまるところ見えないものの循環なんだなぁって感じます。その環が優しい世界を生むと。そこに必要以上の”欲”が絡むとろくな事にはならんからね!

とりあえず高評価を受けている作品であるということはクリアしてよく分かった。プレイする価値は大いにあります。

余談だけどFirewatchの映画化が進行中だそう。続報がしばらく無いみたいだけど映画化の話が持ち上がるのは確かに頷ける。それくらい良質で、映画的な作品だったよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。