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『Serial Cleaners』レビュー

『Serial Cleaners』レビュー

Serial Cleaner(シリアルクリーナーズ )をクリアしたのでレビューをば。
ネタバレは避けてます。

どんなゲーム?

ジャンルアクション、ステルス
対応プラットフォーム・PC
・Xbox Series X|S™
・Xbox One
日本語実装日本語字幕あり
価格3,080円(Steam版参考)
開発Draw Distance
パブリッシャー505 Games

シリアルクリーナーズは2017年にリリースされた「Serial Cleaner」の続編にあたる。

暴力、血、喫煙、飲酒といった成人向けコンテンツが含まれる。

TGS2022 トレーラー

本作はステルスプレイを主体とするアクションゲーム。殺人現場の捜査に来た警察の目を搔い潜り、現場に残された証拠と遺体を誰にもバレないよう後始末するというスリリングなお掃除を楽しめる。

物語はそんな裏稼業を営む4人組の打ち上げシーンから始まる。プレイヤーが4人のうち1人を選択すると、そのキャラが過去にどんな仕事をしたのかを語り出し、その仕事内容をプレイする形となる。

ミッションをクリアするとまた別の者を選択し、新たなお掃除が始まる。それを繰り返していくことで過去の出来事が明らかとなり次第にストーリーが進行していく。

レビュー

プレイ時間約11時間

警察に見つからぬよう証拠や遺体を持ち去るステルスプレイは楽しかった。私は前作を未体験なのでこういうステルスの形もあるのかと新鮮な気持ちでプレイできた。遺体を目につかぬよう隠す仕組みは数多のタイトルで採用されてきた要素だが、それを主軸に置いたタイトルは珍しい。

ステルスゲームの多くは巡回するNPCに見つからぬよう目的地を目指す、もしくはターゲットを始末するというものが多い。それに対し本作は「拾ったモノを収納スペースに隠す」ということに特化してる。

モノは1つしか持ち運べないため収納スペースとの往復は必然的に起きる。その反復作業の中には、いかにステージ内に秘められた動線を理解し、NPCの巡回パターンを把握し、自身が発する物音に注意し、各キャラのスキルを使いこなすか、というステルスゲームの基本的なピースが詰まってる。

シリアルクリーナーズはその基本ピースに加え、「血痕の除去」という清掃業らしいユニークな要素を付け足してる。掃除機で血だまりを吸い取り、現場の原状回復までこなすプレイはプロフェッショナル感が感じられ面白い。

どこからか取り出すコードレス掃除機

4人の操作キャラはそれぞれ独自のスキルを持ってる。ハッキングで照明を消灯したり、パルクールが得意だったり、チェーンソーで持ち運びしやすくしたり(;゚Д゚)。本作は各ステージで1名操作キャラを選択するわけではなく、ステージとキャラが抱き合わせとなってミッションがスタートする。そのため4タイプのミッションが用意されてることになる。これはなかなか贅沢なつくりだと感じた。

ステージ構造は抜け道や隠れ場所が豊富で、次第に多層的な構造になり自由度も増す。プレイヤーの発想力を試させてくれるいい遊び場として機能してる

ステルスゲームの醍醐味はそういった様々なピースをプレイヤーなりに組み合わせることで、一見突破は不可能だと思われる壁にわずかに空いた穴を発見し、そこに小さな針を通すことだと私は考えてる。それはパズルを解くことに近く、故にゲーム難易度の調整度合はパズル的な挑戦をする上でシビアな要素になってくる。

その点ではシリアルクリーナーズは甘く感じられる。プレイヤーにパズル的な思考をもたらすには難易度が低い。原因は低能なNPCのせいでゴリ押しできてしまう環境にある。

この作品の警察は追跡を簡単に諦め、不審な点を見つけても数秒後には忘れ、警戒度が高まっても警備を強化することなく、仲間同士で連携することはない。なので壁に空いた穴は最初から大きく、狙わずとも針を通すことができる。

本作の弱点とも言える点がもう一つある。それは散らかってるモノを一つずつ片づけるという制約から来てる。ミッション開始時はどこからどう着手するかプランを練る必要があり、それがステルスゲームの持つ楽しい一面でもある。ところが片づけの制約上、タスクをこなすにつれ消化試合とも言える作業感が色濃くなってくる。タスクを進めたところでステージを巡回するNPCは変わらず低能で、増援が駆けつけたり、ステージ構造が変化するといった難易度に対するテコ入れはされないため、プランニングの必要性は当然おざなりになっていく。この消化試合感は言い換えれば達成感と言えなくもないが、疑問に感じたというのが正直なところだ。

ただ本作のステルス内容を振り返ると先述の通り行ったり来たりの反復作業となるため、あまりにもキツい調整をしたらそれはそれで苦行に陥る可能性があるというのも理解できる。さらにステージの攻略進路が定まってなく、最初からステージ内の至る所にアクセス可能という捌き方が難しそうな材料を選んでる点、そして片づけがメインタスクとなるゲーム上の制約を抱えてるという点も考慮に加えてみる。すると従来のステルスゲームとして捉えるより、「ステルス清掃ゲーム」という別種として捉えた方が腑に落ちる。シリアルクリーナーズの真価はそこにあるのかもしれない。

プレイ面以外にも、画面を彩るアーバンなアート、90年代の様相、ヒリつくストーリーといった個性が備わってる。どれも本作特有の雰囲気を醸し出すスパイスとして存在感を発揮しており、混ざり合うことで怪しげなニオイが発生してて好き

個人的に引っかかった点を2つ書いたが、終始楽しさをキープできたままプレイできたのは事実。各ステージデザインがとくに秀でており、終盤のような多層的なステージをもっとプレイしたかった。総じてステルス清掃ゲームという珍しい遊びを体験できて満足。このコンセプトのもっと進化したものを見てみたくなった。

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