『Little Big Workshop』プレイ感想

工場経営シミュレーションゲーム『Little Big Workshop』をプレイした感想。

どんなゲーム?

工場で作ったモノを販売し、工場の拡大、発展を目指す経営シミュレーションゲーム。可愛らしいビジュアルの他にもアクシデントにミニゲームで対応する等、独自の特徴を兼ね備える。

ジャンルシミュレーション / 経営
対応プラットフォームPC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch
日本語実装字幕あり
価格2050円 (Steam参考)
開発Mirage Game Studios
パブリッシャーTHQ Nordic / HandyGames

感想

プレイ時間38時間

経営シミュレーションとしてはカジュアルな部類に入るけど、本格的な顔も覗かせるユニークな作品だった。

ものづくりヨシ!

ゲームの流れは大まかに、製造→販売→収益で工場をアップグレード→製造、といった具合。

各プロセスには細やかとまではいかないものの、ものづくりを行う上での本格的なシミュレーション要素が用意されてる。

例えば製造面。製造品の選定はクライアントからの発注の他、市場の動向を見て判断することになる。市場では価格と流通量が一定時間毎に変動するため、製造数、工期、出荷させるタイミングといったマーケティングによる戦略が求められる。

製造するモノを決めたら、それに使用する素材やマシンを割り当てていき設計図を作成する。高価で良質な素材を使えばその分良いモノが出来るし、マシンの台数や従業員の数を増やし効率化を図れば工期は短縮できる。

作業の効率化を求めるにはマシンで作業する作業員以外にも運搬専門のスタッフも必須であり、彼らが英気を養うための休憩施設の充実も経営する上では避けては通れない。

ずらっと書き連ねると出来ることが多いように感じられるかもしれないが、プレイヤーの手で実際にコントロール出来る箇所はそう多くないし、いずれのシミュレーション要素も複雑ではないため覚えるのは簡単だ。

某ステルスおじさんが被る箱はこちらで生産されてます(笑)

アップグレード ヨシ!

製造品の出荷を行うと収益となり、同時に経験値も手に入る。経験値を貯めレベルアップするとスキルポイントが得られ、スキルツリーの中から新たな工場経営スキル(従業員MAX増や新たなマシン等)をアンロックできるようになる。

工場の稼働中は画面をただ眺めることが多いゲームだけに、このアップグレード要素はモチベーション維持に大きく貢献してくれた。

モチベーション維持といえばマイルストーンの存在も大きい。達成項目をクリアしていくとさらに高レベルの目標が掲げられるというものだが、それらをこなしていくと新要素がアンロックされていき最終的にライバル企業ネメシス社との業績勝負が始まる。

ネメシス社の社長はとにかくいけ好かない野郎(しょっちゅう嫌味の電話をかけてくる)なのでプレイ終盤はとにかくネメシス潰しに躍起になった。おかげで従業員に大変な苦労をかけた😂

ちなみにアップグレードを進めていくと「プレミアム化」と「大量生産化」のどちらかの指針の選択を迫られる。私はプレミアム化を選択したがどちらを選んでも夢が広がるだろう。

建築ヨシ!

プレイヤーの自由に部屋を設計できる建築要素も用意されてる。

といっても壁の範囲設定とドアの配置しかすることはないが、どこにどういった区画を設けるか、どうすれば効率的な動線になるか、想像するだけで楽しいし時間が溶ける。

工場が大規模化していくと敷地が手狭になっていくが、マイルストーンを進めると隣接する敷地を買い取れるようになり建築の選択肢の幅を広げられるようになる。

また細かな装飾品が用意されてる点も見逃せない。屋内の他、屋外用途もあるため、ものづくりには関係ないが思わず庭も作りたくなってしまう。プレイヤーの密かな楽しみとなるはずだ。

さらに、シーズン限定のアップデートによりゲーム内の様相がクリスマス仕様に置き換わるなど開発陣のプレイヤーを楽しませたいという心意気と作品への愛が感じられほっこりしちゃう。
(シーズン仕様はオプションでオフにもできる)

ミニゲーム ヨシ!

プレイ中はネズミ捕りやカビ退治、ネメシス社のスパイ探しなどアクシデントに対処するミニゲームが発生する。工場の稼働を眺める時間が多い中でプレイヤーを飽きさせない工夫と言えるだろう。

しかしそんなにバリエーションがあるわけではなく、やることもシンプルなため次第に億劫になることもままある。そんなときはオプションでミニゲーム発生の切り替えができる。問題点の把握とその対応まで用意してるのは好印象だ。

その他

  • ビジュアルと従業員の動作がコミカルで可愛らしい
  • ユーザーフレンドリーなオプション内容
  • ゲーム内システムに初めて触れる際は丁寧なチュートリアルが用意されてるので安心

まとめ

複雑過ぎず、かと言って思考が一直線を描いてしまうほどシンプルではない。工場を経営する楽しさや困難さを摂取しやすい濃度に濃縮してくれたゲーム、そんな風に感じた。

細かい部分にまで手を入れられないという点ではカジュアルに分類されるだろうけど、経営シミュレーションのおいしいところだけを手軽につまめるため、考えようによっては贅沢なゲームなのかもしれない。

終始満足いくプレイだったが全マイルストーン達成後にプレイを継続する理由を見つけられなかった。コンテンツがもっと用意されてれば一層よかったが価格設定を考えるととくに不満はない。

本作には「The Evil DLC」というDLCがリリースされてるので機会があればプレイしてみたい。