『Darksiders Ⅲ』クリアレビュー
Darksiders Ⅲ(ダークサイダーズ 3) をクリアしたので感想をば。
なお本作のレビューを行うにあたり株式会社 THQ Nordic Japan様よりSteamキーを無償提供いただいております。
どんなゲーム?
3DアクションゲームDarksidersシリーズの3作目に当たる。
2018年にPC・PS4・Xbox One向けにリリースされ、2021年にはNintendo Switch版がリリースされた。Nintendo Switch版には追加コンテンツである「The Crucible」と「Keepers of the Void」が標準で収録されてる。
今作の主人公は四騎士の一人フューリー。とある任務を遂行するべく地球に赴くことになる。
ジャンル | アクション・RPG |
対応プラットフォーム | PC・PS4・Xbox One・Nintendo Switch |
日本語実装 | 日本語字幕あり |
価格 | 5,980円(My Nintendo Store参考) |
開発 | Gunfire Games |
パブリッシャー | THQ Nordic |
クリア感想
プレイ時間 | 約25時間 |
ダークサイダーズ3はそれまでのダークサイダーズとは異なるデザインが採用され、コア要素であるバトル・パズル・探索の三柱それぞれに変化が見られる。その変化に触れつつ感想を綴っていきたい。
バトル
従来は敵群に切り込みバッサバッサとなぎ倒す豪快なバトルだったのに対し、本作ではより繊細なバトルになった。敵の攻撃力が増し、かつアグレッシブになったので被弾は極力避けなくてはいけない。故に回避とカウンターへの依存が高まったことによる。
一体一体を丁寧に処理するスタイルとなったためだろう。1シーンに登場する敵の数は従来作より大幅に減った。また、敵の攻撃をプレイヤーに見切りやすくさせる工夫なのか、雑魚もボスもボディサイズが比較的小さくなった。
だが実際のところ、上記のような差はあれどバトルシーンのフィーリングは今までと大した違いはない。従来作だって回避とカウンターは重要だったし、ここぞというときの無敵フォームも健在。バトルシステム自体はほとんど変わってないのだ。アクションバトルの比重の置きどころが変わったという印象だ。
バトルで重要になってくる爽快感も健在。変わらずスムーズな操作性と派手なアクションのおかげで気持ちよく戦える(歩行も相変わらずモッサリ気味だが)。スローモーを伴うジャスト回避からの一気に攻めへ転ずる瞬間は快感だ。
だがバトルに関して気になった点もあり、それは雑魚敵もボスも行動がいささかワンパターンなこと。敵独自のユニークさが乏しく、どの雑魚もボスも類似した行動しかしてこない。ボス戦におけるギミック要素も本作ではほぼ用意されてないためバトルシーンではやや単調さが感じられる。
探索
私が一番気に入ったのが探索要素。ここも変化してる。
まずマップ構造が今までと違う。開けたエリアが減少し従来作よりも閉塞的でリニア感が強い作りになった。
と言っても一本道で構成されてるわけではない。あちこちに本筋ではないサブルートのようなものが存在し、それらがマップ全域を蟻の巣状に張り巡らしてる。そういったルートを発見し、その先に隠された秘密を探るのがたまらなく面白かった。
さらに本作ではミニマップが採用されてない。プレイヤーの嗅覚を試すかのようなこの仕様は冒険心が刺激されて私的には歓迎だ。
マップ内のルートには最初から全てにアクセスできるわけではなく、物語を進めることで徐々にアンロックされる新たなフォーム(変身形態)を利用することでアクセスできるようになる。そのためマップ内を行ったり戻ったりすることになるが、そこらへんはダークサイダーズとしては伝統の部類に入る。
各フォームは攻撃手段であると同時に、それぞれ特色が異なる移動手段でもありパズルへのインタラクトキーとしても活用できる3in1仕様になってる。これ一つでバトル・探索・パズルへの新世界が開かれるわけだ。これはキャラマネジメントに要する作業時間を省くことにも繋がっており、より没入度を高める結果となってる。この採用はグッド。
パズル
個人的に花形と捉えてるパズル要素は、本作ではその姿をあまり見かけることはない。
もちろん一部のシーンではパズルを解いて道を切り開く必要があるものの、そのメカニズムはシンプルなものに置き換わり、エリア全体がパズルで駆動してた従来作のような作り込みは見られない。
ヒントを極力与えずプレイヤーによる発見と試行錯誤を前提とするDNAは感じ取れたがパズル要素の削減は少し残念だった。
パズルが持っている魅力とは”挑戦し乗り越えること”である。プレイを通して感じたのはその魅力がバトル面に形を変えて移乗したんだな、ということ。
挑戦的なバトルはフューリーのオラオラな個性ともマッチしてる。主人公が変われば作品のスタイルも変わる。それがダークサイダーズの個性であり強みなのかもしれない。
その他
三柱以外にも特筆すべき点がいくつかある。それらをまとめてみた。
- 選択肢は少ないが非常に悩ましいキャラ強化要素
- 伝統の壺壊し
- 終末世界イイ!
- 進める上で問題はないが日本語訳が?な箇所がある。
- 周回要素あり。ニューゲームプラスすると新要素が追加される
- ボスたちの強さにムラがある
- 成熟してた兄弟たちと比べて本作は未熟なフューリーの成長物語
- 今まであまり出てこなかった人類たちと触れ合える
- シリーズを通して謎に満ちていた陰謀の一端が明かされる
- おなじみ次回への引きが最高(ちゃんと出るよね?)
まとめ
初代から2への変化はRPG的要素を“付け加える”というものだった。そのためコアにまで及ぼす変化は見られなかったが、本作が見せた大変化には挑戦的な決断を下したなと率直に思う。
これは作品間のリリースされるまでの期間が多少なりとも影響してるのかも。ダークサイダーズ1から2までのリリースは約2年とスピーディだが、その後当時の発売元THQが倒産し紆余曲折を得て本作3がリリースされたのはそれから6年後だ。
その間、メインストリームの潮流となったアクションゲームのサブジャンルとしてソウルライクが挙げられる。フォロワー作が続々登場したのはゲーマーなら知るところだろう。
私はソウルライクの経験が乏しいため意図的にこれまでその単語を出さなかったが、ダークサイダーズ3は多くの場で評される通りソウルライクを採用してる(バトル難易度・ソウルの運用・回復瓶の補給等システムが一致してる)。
ダークサイダーズもまたその例に漏れず時代の傾向を採用した形になる。本作が見せた大きな変化は6年の月日を取り戻すかの如く、新世代への仲間入りを強く意識してのことなのかもしれない。
何はともあれ、スタイルは変わってしまったもののダークサイダーズ3は大変楽しめた。パズルはちと残念だったがバトル・探索は満足。バトルが想像してたよりも難しくなかったのが幸いしたのかも。シリーズを通ってきたプレイヤーなら全く怖がる必要はない。全ての面において乗り越える楽しさと喜びが待ってる。
だけどね…最後の最後で本音を書くけど…
4は初代みたいなやつに戻してくれんかのう😂
とくにパズルね!