ミステリーADV「Draugen」クリア感想

ミステリーアドベンチャーゲーム「Draugen」をクリアしたのでその感想をば。ストーリーのネタバレは避けております。

概要

Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=ziNZqEw0Adg

1人称視点のミステリーアドベンチャーゲームとなる本作「Draugen」の開発を行ったのは、名作アドベンチャー「The Longest Journey」シリーズの開発チームを擁するノルウェーのスタジオ「Red Thread Games」です。

物語の導入をざっくり紹介。

時は1923年。アメリカ人の主人公 エドワード・チャールズ・ハーデンは、音信不通になった妹の捜索のため、アリス(愛称リッシー)という活発な少女とともにノルウェーの片田舎の村を訪れる。その村を舞台に物語が進行します。

全編フルボイスですが音声は英語のみ。日本語字幕有り。

ちなみに2014年に発表されてから5年後にリリースを迎えたということから、それなりに難産だったことを伺わせます。発表当時はサバイバルホラーという名目で、現在のものと少々かけ離れている雰囲気だった。

↓は最初のティーザートレーラー

Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=7_z-KQl6WOs

感想

とりあえず良かったところから挙げていきます。

❏景観が良い

真っ先にこれが挙がります。ノルウェーのフィヨルドが舞台で、そりゃもう景色が素晴らしいのなんの。

1980×1080のウルトラ設定でのスクリーンショット。

村のどこにいても見える、美しい山脈と空と雲。澄んだ空気の美味しさまで伝わってくる、絵になるビジュアルです。ノルウェーに行ってみたくなります。こんなところでのんびり暮らしてみたい…。

❏リッシーが可愛い

そう、リッシーが可愛い。

落ち着きがない彼女はとにかく動き回ります。アクターさんを使ってモーションキャプチャーしているのでその動きがとても自然でリアル。怒ったり笑ったり表情も豊かです。髪の毛の質感も滑らかでよく出来ていてグッド。主人公が堅物で暗~い性格なので、対照的な性格であるリッシーは太陽とも言える存在です。リッシーの天真爛漫な言動は地味なゲーム性に華を添えてくれて、個人的にお気に入りポイントです。

❏音楽も良いよ

ADVはやっぱ音楽も大事よね。ムーディーなボーカル曲もさることながら、アンビエントな楽曲群が素晴らしい。

コンポーザーは「Dreamfall」の頃から担当しているSimon Poole氏。ちなみに脚本は「The Longest Journey」シリーズのRagnar Tørnquist氏。

DraugenのサントラはSteam、GOG.comで販売中。

❏お散歩ゲー

気になった点というか、マイナスポイントではないけど、人によっては事前に知っておいた方がいいかな、と思った点。

私はこのゲーム、プレイするまでは、アイテムなどを入手し、ヒントを集め、謎解きをしていくタイプのバリバリの推理ゲームのようなものを想像していましたが、いざ蓋を開けてみるとそういった要素はかなり薄いことに気付きました。

どちらかというとウォーキングシミュレーターは言い過ぎかもしれませんが、そのようなスタイルに近い印象。プレイヤーがすることは様々な事柄の”バックグラウンド=真相へのヒント”を探し、キャラクターが推理していくのを観察することだけ。

読み物がいくつもあるので、それを楽しむ余地はありますが、ひょっとすると人によって退屈に感じてしまう点かもしれません。私はまったりできてよかったですが(*´Д`)

ですが、安心してプレイしてほしい。この作品の真骨頂は前述のプレイ性などではなく、ADV作品の醍醐味である思いもよらない展開が待ち受けているということです。詳しくは書きませんが、ストアページに掲載されている紹介文を借りるならば「表面の下を描く物語」ということです。

感想まとめ

難しい謎解き要素が無いので、肩の力を抜いてまったりプレイするのに向いているように思います。大傑作!という評価は下せませんが、目立ったマイナスポイントもとくになく、総合的に良質なADVゲームといった印象。だけどあえてマイナスポイントを挙げるなら、”若干のボリューム不足”というところでしょうか。

日本語訳の出来が素晴らしく、まったく違和感なく物語を楽しめたのが嬉しかった。

最後に、この作品のエンディングで流れるスタッフロールのラストに注目。ある一文に目を引かれました。おぉ…。