これは悪夢か現実か…蘇ったサバイバルホラーの原点『Alone in the Dark』をプレイしてみた
3月20日リリース予定の新作サバイバルホラー『Alone in the Dark(アローン・イン・ザ・ダーク)』を一足先にプレイさせていただきましたので感想をば。ネタバレはございませんよ!
本作をレビューするにあたりTHQ Nordic Japan株式会社様よりSteamキーを御提供いただいております。
Alone in the Darkの概要
ジャンル | サバイバルホラー |
プラットフォーム | PlayStation®5、Xbox Series X|S™、PC |
日本語対応 | 字幕、吹き替えあり |
価格 | 7,590円[税込] |
開発 | Pieces Interactive |
パブリッシャー | THQ Nordic |
対象年齢 | CERO D(17歳以上対象) |
Alone in the Dark…それは3Dモデルを採用した初のアドベンチャーゲームとして1992年にリリースされました。その後、続編のみならず2本の映画化も果たしビデオゲーム史にその名を刻むことになります。そんな名シリーズ第1作目のリ・イマジネーション版が本作です。今回はAlone in the Darkをプレイしてみてわかったこと、そしてその感想を記していきます。
プレイしてわかった5つのコト
プレイ時間 | 約20時間 |
1.どんなゲーム?
本作は謎解きシーンと戦闘シーンが交差するサバイバルホラーゲーム。舞台となる精神病棟「デルセト屋敷」で遭遇する得体の知れぬ恐怖に挑み、秘められたミステリーを解き明かしていきます。クトゥルフ神話の要素を材料に、宗教的で猟奇的な南部ゴシックスタイルで味付けした、そんな世界観が特徴です。
本作はシリーズ第1作目をリ・イマジネーションした作品で、オリジナル版の基本設定を引き継ぎつつ全面的に再構築されたものとなってます。オリジナル版を知る方は引用と刷新、2つの面を楽しめるのではないでしょうか。
2.謎解き
ゲーム中の主な目的は主人公の一人であるエミリーの叔父の消息を探ること。その過程で様々な謎解きが待ち構えてます。
ピースを正しい図柄になるよう配置する文字通りのパズルや、入手した資料や周囲の環境を観察して答えを探すものなどがあります。全体的に難易度は高くありませんが、万が一謎解きが苦手な方でもヒントを強調する優秀なヘルプシステムを有効にすれば難度を緩和できます。
さらにゲーム中はいつでも進行中のタスクを確認できる上、探索の進捗具合に応じてマップが更新されていくため迷いにくく現状を把握しやすいです。それらの仕様や上記のような難易度オプションからQoLの向上に努めていることが伺えます。
ちなみに進行状況の簡単な経緯や資料内の文章を音声で読み上げてくれるの、頭に入りやすくてめっちゃいいです。
3.戦闘
本作で登場するホラー要素は怪奇現象だけに留まらず、おぞましい異形のモンスターとの対峙も多分に含まれてます。敵との戦闘はガンシューティングを中心に近接攻撃、回避、ステルスを駆使するシンプルなTPSとなってます。
人型、獣型問わず捉えにくい動きで距離を詰めてくるモンスターとの戦闘は緊張感溢れ、弾薬の消費や近接武器の損耗は焦りを生みます。戦闘を有利に進めるためにも落ちてるレンガを投げつけたりオイルを浴びせ引火させるといった環境の利用は心掛けたいところ。それは武器の温存にも繋がります。
3段階からなる戦闘難易度はプレイ中いつでも変更可能。敵の体力やダメージ量が変わるのでお好みでどうぞ。
4.主人公は2人
プレイヤーは私立探偵エドワード・カーンビー、もしくは今回の調査の依頼主エミリー・ハートウッドのどちらかを操作キャラクターとして選択します。2人の間には初期装備のハンドガンが異なるというちょっとした違いはあるものの、操作や能力に差はありません。
違いがあるのはストーリー展開。大筋は両者とも同様ですが随所で挿し込まれるカットシーンの内容や一部のステージ、入手アイテムが異なります。人物像や他の登場人物との関係性はエドワードとエミリーの両者をプレイしないと見えない部分があるのでぜひとも主人公をチェンジして2周することをオススメします。
(私は2周させていただきました!)
2人を語る上で外せないのが心情の機微を感じられる表情豊かな演技でしょう。エドワードを演じるのはストレンジャー・シングスでブレイクしたデヴィッド・ハーバー氏、エミリーを演じるのはTVドラマ、映画で活躍するイギリスの女優ジョディ・カマー氏です。その他の個性的なキャラクター達と織りなすカットシーンはまるで映画のワンシーンを観てるよう。ちなみに吹き替えに関しては日本語、英語、フランス語、ドイツ語に切り替えられるようになってます。
5.オマケ要素
オマケ要素が充実。ステージのあちこちに隠された収集アイテムのセットを完成させることでゲーム進行とは関係ないものの様々な知識を得ることができます。さらに映像を加工するフィルターが用意されてる他、キャラモデルを1992年当時のものに変更できるファンサービスとも言えるオプションも。ステージ内のあちこちで開発者によるコメントを聞けるユニークな機能も存在します(残念ながら字幕はありませんでした)。
またエンディングが複数あるのも特徴と言えます。詳しくは触れませんがぜひ見つけてみてください。
感想
こんなん全然怖くないもんねー!なんて息巻いてプレイしてましたが、屋敷の扉を開ける直前ふと身構えてる自分に気付きました。いつの間にかビビってたようです(笑) 屋敷を浸食していく怪異がプレイヤーの精神すらもじわじわと蝕む、そんな恐怖を味わえました。見応え、聴き応え抜群の映像美とサウンド、そして声優陣の演技がそんな恐怖体験に拍車をかけてるのは間違いないでしょう。おかげで口から心臓が飛び出そうな瞬間が何度かありました😨
プレイスルーに関してはアクションと謎解きの配分バランスが良くて、なおかつパートで分けられてる構成となってるため頭の中が散らかることなくそれぞれのシーンと向き合えたのがよかったなと。ただ個人的には複雑な謎解きをもっとちょうだい!という感じでした。
プレイしてると戦闘やホラー演出に意識が行きがちですが、リアルな時代背景や地域的な要素がよく描かれてるのでそういった面にフォーカスしてみるのも面白いと思います。クトゥルフ神話が好きな方にはワクワクできる内容となってるのも強調しておきたい点です。
最後に、無料でプレイできる本作のプロローグ版「Alone in the Dark Prologue」が各ストアからダウンロードできるので本作のプレイを検討してる方は触ってみるのをオススメします。Alone in the Darkの一端を垣間見れるものとなっており、本編スタート前に少しだけ理解を深められますよ。