『Townsmen – A Kingdom Rebuilt』 プレイログ&感想
Townsmen – A Kingdom Rebuilt (タウンズメン キングダム リビルト)を遊んでみた!
ジャンル | 町づくりシミュレーション |
対応プラットフォーム | PC,Nintendo Switch,Xbox One,Xbox Siries S/X,PS4,PS5 |
日本語実装 | 日本語字幕あり |
開発 | HandyGames |
パブリッシャー | HandyGames |
本作をプレイするにあたり株式会社THQ Nordic JapanよりSteam版「Townsmen – A Kingdom Rebuilt」及び追加コンテンツ「The Seaside Empire」を御提供いただいております。
どんなゲーム?
中世ヨーロッパ風の世界を舞台に、領主として町を発展させていくリアルタイム性シミュレーションゲーム。建築物を配置していき、資源の採取、生産体制の構築、軍備増強を行いながら多数用意されたマップで自分だけの都市を建設できます。
シリーズの歴史は意外と古く、2003年のモバイル版リリースを皮切りに様々なプラットフォームで展開。日本でもかつてi-mode等で配信されていた。
2022年5月26日には本作の本編と追加コンテンツが統合された『タウンズメン キングダムリビルト コンプリートエディション』のNintendo Switch用パッケージ版がリリース予定。パッケージ販売は日本独自の施策。(HandyGamesファミ通.comインタビューより)
チュートリアルも兼ねてるキャンペーンモード
いざプレイ開始。いろんなモードがあるね。
- 【キャンペーン】
ストーリー仕立てのチュートリアルモード。交易や軍事などケース毎に分けられた様々なチュートリアルを学べる。 - 【シナリオモード】
多種多様に用意されたシチュエーション下でシナリオのクリアを目指す。シナリオに沿って様々なクエストが発生。 - 【エンドレスモード】
遊びたいマップを選択し、一から自分の手で町づくりを楽しめる無制限モード。
本編だけでもシナリオは26、マップは24とボリューミーだが、今回さらに追加コンテンツである『The Seaside Empire (海辺の帝国)』も導入してるためシナリオ総数30、マップ総数33とかなり充実してます。シナリオは色々なシチュエーションが用意されてるし、マップもそれぞれサイズが違うのはもちろん地形も多彩なので飽きずに長ーく楽しめそう👍
まずはキャンペーンをプレイ。これを一通り遊べばタウンズメンの町づくりに関しては大方把握できるでしょう。チュートリアルでありながらストーリーも完備されてるのがいいですね。次の展開がついつい気になって全チュートリアルを制覇しちゃいました。
町づくりの流れはオーソドックスと言えますね。資源の採取から始まり、民家増設で人口を増やし、食料と生産品の供給を整えると同時に交易・徴税による資金繰り、そして対野盗のための軍備増強を経て町の拡大を着々と図る。これぞ”THE 中世町づくりシム”といった印象。
ですが、タウンズメン キングダム リビルトはそのお馴染みさに様々な要素を加え、高い充実度とリプレイ性を備えてる。以下にそんな特徴的な要素を挙げます。
- 【ランダムタスク】
プレイ中に提示される様々なお題。クリアすると資源や資金、経験値を取得できる。
例:期日内に◯◯を◯個生産しろ! - 【短編ストーリー】
選択肢を伴うイベントが発生。選択次第ではゲームの行方を左右する結末が待ってる。
例:庶民の声と貴族の声どちらを優先するか - 【四季】
春夏秋冬ごとに気候が変化。夏は井戸が干上がりやすかったり冬は農作物が育たなかったりと季節ごとの対応を迫られる。雷雨や寒波などの災害により建物が損耗する場合も。 - 【研究】
タスクの達成や町の発展で経験値を貯めてレベルを上げることができる。レベルに応じた研究内容にアクセスできるようになり、研究を時間経過で完了させると恒久的なボーナスを得られる。取得したボーナスはあらゆるモードを通して共有される。
例:施設の効果範囲アップやアップグレードのアンロック - 【デコレーション】
木々やベンチなどから始まり噴水や墓など、町を彩る多彩なオブジェを配置可能。住民の満足度に影響する。 - 【調整可能なオプション】
新規ゲーム開始時に野盗の襲撃・災害・タスク関連の発生の有無を設定可能。プレイヤーの好みに合わせたスタイルで楽しめる。
どの要素も本作の面白さを引き立ててます。
ランダムタスクや短編ストーリーは、町づくりというある意味先の見えない作業の中において明確な目標や刺激を与えてくれるし、四季や災害への対応は町づくりのプランに深みをもたらす。
あらゆるプレイを通して共有される研究の存在はかなり大きいですね。マップごとに難易度が設定されてる本作ですが、レベルを上げて研究ボーナスを得てから高難度マップやシナリオに挑戦できるのは本作ならではの楽しみ方と言えます。経験値を稼ぐという目標がモチベーションにも繋がります。
ちなみに上記の要素のいくつかはゲーム開始時のオプションで排除できるという点は強調しておきたい。災害の発生やタスクはいらないから純粋に町づくりだけに専念したいというプレイヤーの声にも応えてくれますよ。
一から町づくりが楽しめるエンドレスモード
一からの都市建設はやはり町づくりゲームの醍醐味。というわけでエンドレスモードにトライ。
町運営が安定するまで結構苦労しますね。ただ建物を置けばいいというわけではなく、人員配置や在庫管理、税率などを調整しつつ、急なアクシデントなんかにマップの制約を受けながら対応しなくてはいけない。
とくに序盤は一手一手の影響が大きく、足りないものだらけになりがちなので、発展ペースの見極めとバランスの維持が重要になってきます。マネジメントに四苦八苦するのも町づくりの面白いところですが、苦境が続くわ続くわ(笑)
でも苦境が続けば続くほど光明が見えたときは喜びもひとしおよね。そしてまた次の波が来るっていう…。
町が広がっていき資源や建築場所を求めて未踏の地に進出するときって、町づくりゲームにおける最高のワクワクを感じられる瞬間だと私は思ってるんですが、タウンズメンも例に漏れず最高の瞬間を届けてくれました。最初に取り掛かったエリアが手狭になってきたので郊外の開発に移ろうと橋を架けて未踏エリアへ。この”次のステージ”に突入するワクワク感がたまらないのよね。
建築だけではなく道路も敷けるのは良いですね。道路があると無いとじゃ町並みが全然違います。景観をワンランク上に見せるためには道路は必須だし、住民の移動速度もアップするのでぜひ活用すべし。
町並みを美しく見せると言う点ではデコレーションも見逃せない。嬉しいことに多彩な置物が多く用意されてます。生産性がある建築物ではありませんが、人々が集う憩いの場として噴水やベンチを置いてみたり、人里離れたスペースに墓地を置いてみたりと、プレイヤーの想像力を町づくりに反映させるのに無くてはならない存在です。しかも住民がちゃんと訪れてくれるようになるんですよ。これはデコり甲斐があるというもんです。
デコレーションできる置物の中には城壁など実用的なものもあります。壁で町を囲えば野盗の襲撃ルートを絞れるので防衛面で有利に。また、農場などをフェンスで囲えば見た目も映える上、視認性も上がります。デコレーションには色んな使い道がありそう。
本格的な戦争というわけにはいきませんが衛兵と盗賊のバトルも楽しめます。序盤はなかなか軍事にまで手を回せず盗賊の襲撃に怯える毎日ですが、徐々に見張り塔を建てていき兵の数を増やしていけば形成逆転できます。武器のみならずソーセージとビールを兵に補給して強化するシステムがユニークですね。
さらに、マップ内の何処かに盗賊たちのアジトがある場合はこちらの兵たちを送り込んで叩き潰すことができます。この恨み晴らさでおくべきか!
運営手腕が試されるシナリオモード
お次はシナリオモード。せっかくなので追加コンテンツ『The Seaside Empire (海辺の帝国)』の中からチョイス。
おお~ビジュアルが新鮮!生えてる木々の種類が本編と異なるし建物のデザインも変化してる。川や海の色も明るくなっておりトロピカルな雰囲気🌴
今回選んだのは「2つの一族の物語」というシナリオ。分裂してしまった一族間の国交を復活させるという物語。
シナリオモードは自分のペースで遊べるエンドレスモードとはまた違う面白さがありますね。こちらはいわゆる”縛り”が課された状態で目標まで辿り着けるか、というチャレンジングな内容になってます。プレイヤーの運営手腕が試されるわけですが、やることに関しては段階的に細かく指示されるので、何をやったらいいのかわからないということはありません。
万が一難しく感じても、レベルを上げて研究ボーナスを強化してから再トライという道があるのもタウンズメンの良いところ。プレイすればするほど経験値を取得できます。
感想
町づくりに関してはしっかり楽しませていただけますね。いざプレイを開始するとついつい「あともうちょっとだけ…」と長時間遊んでしまう、そんなジャンル特有の中毒的な魅力がばっちり備わってます。特筆すべき点としては、豊富なシナリオと多数用意されたマップのおかげで遊びごたえが抜群だということ。雰囲気がガラッと変わる追加コンテンツの導入もオススメです。
【良かった点】
実プレイの面で言うとデコレーション要素です。細かな装飾物をちょこちょこ配置してプレイヤーの思い描いた町づくりを表現できるのは素晴らしいし、使い勝手にも優れてる。
システム面ではランダムタスクと研究。突発的なクエストはプレイに緩急を与え、レベルアップによる強化はモチベーションに繋がります。どちらも町づくりの楽しさを底上げしてくれてます。
【イマイチな点】
カメラの回転ができない仕様上、致し方ないのかもしれないが、建物の裏側に隠れてしまった建物が非常に見づらい。
【難易度について】
度々起きるアクシデントと相まって序盤の町づくりにはやや苦労しますが、複雑な要素が無いため、ああすれば防げた、こうすれば効率よかったな、といった改善点が見えやすい。そういうことを次に活かしながらプレイを重ねていくことで自分の”タウンズメン スキル”が上がっていくのを実感しました。いろんなシチュエーションで町づくりを回していくゲーム、ということを踏まえると程よい難易度かと。何より研究の存在が心強いのでジャンル初心者の入門にも最適ですね。