GOG.com実績データを初公開
何ということでしょう…GOG.comが直近の実績データを公表しました。
これは同社初のことです。急にどうしたの!?
せっかくなんで中身を見ていきましょうか。

まずは顧客関連の伸び率。
- 全GOGサービスの月間アクティブユーザー数 +208%
- 新規登録ユーザー数 +392%
- Galaxyの月間アクティブユーザー数 +805%
全GOGサービスの月間アクティブユーザー数とGalaxyの月間アクティブユーザー数においては12月の末時点での前年同期比となるようです。
いずれの項目も成長著しいのは明白。Galaxyのアクティブユーザーの増加が驚異的ですね。プラットフォーム統合型クライアントへと進化したGalaxy2.0が新規ユーザー獲得の呼び水となり、さらに待望作Cyberpunk 2077が起爆剤として大きく貢献したと推察。
とくに昨年は新型コロナ流行による自粛政策の影響で世界的にインドア人口が増加傾向。その影響も大いに関わっているでしょう。
とまぁ見事な伸び率となっているわけですが、前年比だけ見せられても…ていうのが私の本音。実数値が無理でも、せめて前々年比くらいは合わせて知りたいよね。というかプラスの相対的なものばかり並べられると身構えちゃいますよ逆に。

お次は財務。GOGストアの純売上高のグラフが公開されています。こちらは前々年比も合わせて記載されており年末時点での同期比となります。
やはり2020年はがっつりいきましたね。前年の2.14倍は凄いです。上述の要因が大きく貢献しているのはもちろんのこと、新型コロナの影響によるワークライフの急変に迫られた中でのこの成果はGOGの健闘を称えるに値するものだと思います。
ただ知りたがりの私はこの売上高の内訳(どんなタイトルが売れたのか)や利益の方も気になります。

続いてGOGストアにおける世界市場シェア。GWENT以外のゲーム売上に基づく2020年のデータです。
- 49% ヨーロッパ
- 34% 北米
- 7% その他
- 6% アジア
- 4% オーストラリア+ニュージーランド
ヨーロッパがシェアNo.1ですね。やはりお膝元だからでしょうか。北米もそれに迫る数字となってます。アジアは6%という結果。アジアは私の想像よりも低かった。GOGストアは潜在的大市場である中国圏向けのサポートを行っているにも関わらずこの数字ということは話者の認知不足なのかもしれません。(日本語サポートもしてくれてええんやで。)
南米はその他に含まれているようです。今から3年ほど前にGOGはブラジルポルトガル語のサポートを終了していることからもあまり振るってないと思われます。

こちらは2020年にリリースされたゲームの数。前年比、前々年比も合わせて記載されてます。
- 2018年 296
- 2019年 378
- 2020年 483
やっと具体的な数字が出てきました。この数字はベースゲームだけなのかDLCも含まれているのかわかりませんが、年毎に約100本ペースで取り扱い数が増えていってます。これによりGOGの取り扱いゲームの総数は4,700本以上になりました。
ストアの拡充は新規客増が見込めると同時にサポート対象増加による負担と品質低下リスクを招きます。今後も質の高さはどうか下げることなくオナシャス。
3つ目に記された「リリースに至ったコミュニティ ウィシュリストが400,000以上」ですが、これはゲームタイトルの数ではなく得票数の累計だと考えられます。得票数だけではなくどれだけのタイトルがウィッシュリストを通じてリリースされたのかも知りたいんですけど…。何にせよこのシステムは永続してほしいものです。

続いて顧客の購買傾向です。これらのデータは具体的で結果も面白いものになってます。
- ユーザーの73%は18歳~34歳で、主にシングルプレイ、ロールプレイング、ストーリー重視のゲームを好む。
GOGユーザーの大多数は比較的若年層が占めているようです。かつてはクラシック作品が主力でしたが現在の新作中心となる商品ラインナップを見ると当然の結果かもしれません。(ちなみに私はこの73%に入れなかった…。)
そんな若年層の好みについては、さすがGOGユーザーというか、DNAを引き継いでるなといった印象。というよりオンラインプレイ主体の作品はDRMフリーという特性上GOGでは基本的にリリースされないため必然の傾向でしょう。
シングルプレイを好む層の受け皿としての進化を私は期待してます。そのためにはMODコミュニティの包括をするべきだとずっと思ってるんですがそれは眼中に無いようです。
顧客購買傾向その2、ベストセラーゲームのジャンルシェアです。
- RPG 36%
- ストラテジー 22%
- アクション 21%
- アドベンチャー 11%
- その他 10%
やはりRPG強し。ストラテジーとアクションが拮抗してます。全体的に偏りらしい偏りは見受けられず、いろいろなジャンルがバランス良く買われているようです。
顧客購買傾向その3、ユーザーが所有する無料ゲームと特典の数。
これは2,800万以上となってます。該当するのはほとんどクラシック作品ですがGOGは無料ゲームも取り揃えており、豪華な特典(サントラ・アート・ガイドブック等)が付属する作品も多いです。このデータがどう有用なのかはさておき多くの無料ゲームと特典がユーザーのライブラリにあるようですね。

カスタマーサポートに移ります。
- 顧客満足度 93%
- 返金率 1.39%
- 解決したサポートチケット数 244,800以上
顧客満足度は93%とかなり高い。業界平均は~83%だそうです。GOGのサポート対応にほとんどの利用者が満足しているということです。これならどんな買い物も怖くない!?
返金率は1.39%。これは昨年2月に現在の返金ポリシーを導入してからのデータです。この数値が水準より高いのか低いのか私には分かりませんが、返金の条件を緩和したにも関わらず返金率1%というのは結構低いんじゃないでしょうか。サポートに起因するものなのかユーザーの民度に起因するものなのか。さらに昨年行った返金条件の緩和は高満足度のいち要因にも思えます。
そして解決したサポートチケット数は24万…。これいつからいつまでの集計なのか明記されてませんが恐ろしい数です。これに費やした時間が顧客満足度の高さに繋がっているのでしょう。頭が下がります。

こちらはGOGクリエイターズプログラムについて。動画配信者による宣伝活動のようなものです。
- GOGのTwitchチャンネル視聴回数 500万以上
- GOGのTwitchチャンネルでの配信時間 4,000時間以上
- GOGクリエイターズプログラムによる累積視聴時間 3,000万時間以上
- 過去最多同時視聴者数 140,000人以上
いずれの数字も巨大に感じられますがこれらが凄いのかどうかは私には分かりましぇん…。けっこうTwitchで新旧様々な作品をやってるんですよね。配信者のおっさん率高いけど。
過去最多同時視聴者数はCyberpunk 2077のリリース週に更新したようです。この数字を塗り替えられる日が来るのを願うばかりです。

最後は各ソーシャルメディアのフォロワー数。
- Facebook 472,400
- Twitter 404,800
- Instagram 20,000
- Twitch 65,400
- VK 37,600
- Weibo 19,800
- bilibili 17,700
Twitterが一番多いかと思いきやFacebookが最多なんですね。中国でも頑張ってるようです。
さていろいろなデータを見ていきましたが昨年は素晴らしい成果をあげたというのが分かりました。これがCyberpunk 2077の影響による一過性でないことに期待しましょう。
私が終始気になったのは今回これを公開した意図です。投資家から要望があったのか売上増をドヤァしたかったのかコロナ不安を払拭させたかったのかは分かりませんが、何にせよ透明性をもたらすことはユーザーにとって良いことだと思います。ただでさえ不透明感が強いストアだったので(笑)。どうせなら毎年レポートしてほしいです😉
参考/情報元 https://www.gog.com/news/check_these_facts_and_numbers_about_gog
Comment
GOG.com実績データ、面白いですね! 国家シュミレーションゲームのスタート時のような”まずは現状把握”みたいな感覚で楽しく記事を拝見しました。中国語対応にもかかわらずアジアユーザーの数が少ないのには私も驚きました。 データ公開した意図はやはり投資家対策ですかね?あとはGOGの理念でもある”DRMフリー”でも「儲かってます!」「運営できてます!」の猛アピールですかね。 以前おっしゃってたようにCD Projektからの切り離し独立の布石かもしれませんね…。
お読みいただきありがとうございます。
儲かってますアピールはDRMフリーの衰退を懸念してたユーザーにとって安堵を覚える材料にもなりますね。
今後どういう仕組を導入していくのかわかりませんが理念は堅持していただきたく思います。