クラシックRPG『The Dark Heart of Uukrul』GOGでリリース

GOG.comで『The Dark Heart of Uukrul』というRPGの配信が開始された。
聞いたことない作品だ。
ストアページを見てみると、ある文言が目に入った。

Scott Greig worked countless years to get The Dark Heart of Uukrul rereleased. This is dedicated to him.

Scott Greigは The Dark Heart of Uukrul の再販のために、数え切れないほどの年月を費やしました。これは彼に捧げられたものです。

https://www.gog.com/game/the_dark_heart_of_uukrulより

なにか特別な作品のようだ。好奇心が掻き立てられたので少し調べてみた。
以下Wikipediaより抜粋。

本作は1989年、Apple II 向けにリリースされた一人称+ターンベースのファンタジーRPGだ。90年にはIBM PC版がリリース。

Ian Boswell 氏と Martin Buis 氏による長年温めてきた計画として制作。
パブリッシングは Broderbund が担当。

この作品は、ファイター、パラディン、クレリック、メイジの古典的な4人パーティーで構成されており、邪悪な魔術師 Uukrul を倒して Eriosthé の街を取り戻すために、多くのパズルや謎を解きながら進んでいく。

クラシックなトップビュー、ターンベースの戦闘と、探索のための疑似3D一人称視点を持つ。
パーティは呪文を唱えたり、気まぐれな神々に祈ることができ、原始的なグラフィックにもかかわらず、敵のバリエーションも多い。

ただし、ハック&スラッシュや広大な迷宮といった要素以上に、パズルやシークレット、レベルデザイン、周囲を取り巻く謎などがこのゲームの大きな魅力とされる。

Computer Gaming Worldというゲーム雑誌では、バランスの取れた戦闘、珍しいエンディングが評価されたものの、ハック&スラッシュだけのエンターテイメントを求める人向けではないと警告された。
RPG Codexでは、プレイヤーが直面する様々なチャレンジと、ジャンルの歴史の中で最高のダンジョン、パズル、キャラクター開発デザイン、要素間のバランス、巧妙なデザインを持つと評された。

プレイヤーには高評価だったものの5,000本以下しか売れず失敗とされた。Apple IIの末期だったということと、宣伝をしなかったことが原因とされる。


 

かつて高評価を受けた古き作品の、GOGでのリリースを望む声は絶えない。
この The Dark Heart of Uukrul も例外ではなかったようだ。

冒頭の引用でも綴られているScott Greig (@Kill0byt3)氏はゲーム開発者、ジャーナリスト、グラフィックデザイナーとして活動していた人物。

The Dark Heart of Uukrulの大ファンだったGreig氏は当時の開発者2人に働きかけ、GOGでのリリースを企画する。

ところが今年3月、実現に向けて取り組んでいる最中Greig氏は急逝してしまう。
それがストアページで綴られている文言に繋がっているわけだ。
そこには、この作品が再び日の目を見るに至った尽力者への哀悼の意が込められていた。

これはGOGのいちファン、いや、いちゲーマーとして花を手向けないわけにはいかない。
私は659円を捧げた。

参考/情報元 Wikipedia, GOG.comプレスリリース