【バイオミュータント】文明崩壊前の世界に迫る

バイオミュータントの世界背景について検証・考察をしてみた。なお若干のネタバレを含むのでご注意ください。

腑に落ちないこと

まずはバイオミュータントの世界背景についておさらい。プレイ中に明らかになった背景を時系列順に並べてみる。

  1. ミュータントたちが暮らす現在の文明の前には旧文明が栄えていた。
  2. 環境汚染が進む中、旧文明の住人たちはいくつものアークを建造しこの星を離れた。
  3. 汚染は生命の樹を蝕み、その影響により世界滅亡へのカウントダウンが始まる。

アークを作ったのはトクサノール。彼らのその後を知る術はない

さて、プレイ中は電子レンジや洗濯機といった旧文明の遺産に触れる機会が多くある。その内の映写機とテレビにアクセスすると当時の映像が映し出されるわけだが、そこには何とも不可解な光景が広がる。

テニスをプレーするミュータント

これは何だ。文明の利器である映像機器にミュータントがスポーツをしたりニュースキャスターの真似をしてる動画が保存されてるではないか。私はその様子がどうも腑に落ちなかった。

私が考えていた旧文明とは、私たち同様の姿かたちをした人類が住まう科学的に発達した世界であり、ミュータントたちは彼らが去った後に生まれた比較的原始~中世的な生活を営む文明の住人ではないのか?
旧文明の遺産である映像機器にミュータントの姿が残されてるということは、ミュータントたちにも発達した文明で生活していた時代があったということなのだろうか?

よくよく考えてみるとこの作品、ミュータントの誕生時期や経緯含め過去の出来事について詳しく触れてない。ミュータントが出現したのは冒頭に挙げた世界背景の1と2の間なのか、それとも私が当初想像していた2と3の間なのか?

旧文明の住人とは?

そもそも「私たち同様の姿かたちをした人類が住まう科学的に発達した世界」という私の旧文明に対する認識が間違っていたのだろうか。本当は人類など存在せず、旧文明の主役もミュータントたちだったのだろうか。

その疑問の答えはノーだ。私の認識は合ってた。

旧文明の廃墟を見れば一目瞭然。建物、家具、及び全ての痕跡が一般のミュータントたちが利用するサイズよりもずっと大きい。何より消化器に記された使用法の図にはヒトの姿が描かれている。これらは人類の存在を示す証拠と言える。

消化器にはヒトが描かれている

しかしながら先述の映像機器に保存されていたミュータントたちの映像は紛れもない真実。となると2つの仮説が浮上する。

  1. 人類文明が滅びた後、汚染の影響で誕生したミュータントたちによる科学的に発達した文明が栄え、それもまた滅び現在に至る。
  2. 人類とミュータントが共存していた時期があった。

結論から記すと、私は2が有力だと考える。

ミュータントの誕生時期

鍵となるのがミュータントの誕生時期。一体いつこのようなモフモフ変異生命体が誕生したのだろうか?

アークには汚染の記録が残されてたが文明終焉の”原因”までは特定できなかった

とある映写機に映し出された情報とアウト・オブ・デイトの言によると旧文明が崩壊した”直接の原因”は定かではないようだ。だがトクサノール社の廃棄物汚染による影響で生物の遺伝情報が書き換えられた結果ミュータントが生まれたとオートマトンは言及してる。となると時系列はこうなる。

  1. 汚染が進んだ結果ミュータントが生まれる。
  2. その後何かしらの原因により文明が終わりを迎えた。

文明終焉の前にミュータントが生まれていたとなると人類とミュータントが共存していた時期があったということになる。これらの裏付けとなるような手がかりがゲーム内で確認できる。

共存の裏付け

旧文明の廃墟群に立ち並ぶ壁画や看板には可愛いキャラクターたちが描かれている。廃墟に眠るテレビにアクセスするとそういったキャラクターのアニメを見ることもできる。

プレイ中にやたら目につくこのキャラクターたちこそミュータントなのではないだろうか。家電を擬人化したキャラも確認できることから人類社会ではこういったキャラデザが好まれていただけなのかもしれないが、描かれてるキャラクターと現生ミュータントの指の本数がどちらも4本だったりと共通点が見て取れる。

私はエネルギー回復アイテム「ラジウムシロップ」に注目した。缶に「RADIUM SYRUP」と英語で表記されているが、現在のミュータントは英語ではなく種族ごとにウォンド語やガルポ語といった様々な言語を使用してるため、英語の話者は必然的に旧文明の住人ということになる。

小さくて読みづらいけどBIOMUTANTと書かれてる

ラジウムシロップのロゴ上部をよく見ると「BIOMUTANT」と書かれてる。これはラジウムシロップがミュータント向けに作られた飲料であることを指しているのではなかろうか。
つまり英語の話者がミュータント向けの飲料を生産していたということだ。

これらのことから人類とミュータントが共存してた可能性は十分にあると考えられる。

共存の実態

看板などに描かれたキャラ≒ミュータントと仮定し話を進めよう。このキャラたちは皆何かしらの商品とマッチアップされていることから商業利用されていたのだろう。広告塔のみならず、中にはスープの出汁ないし具材として使われてる描写も確認できる。一体ミュータントたちはどのような形で人類と共存してたのだろうか。

思い出すべきは映像機器に残されてたスポーツを楽しんでいる様子やニュースキャスターとしての一面を持つミュータントたち。彼らは少なくとも人類と同様に仕事をこなし、スポーツに興じ、さらにはラジウムシロップといった専用の飲食物を享受していたと思われる。

これらを踏まえると人間とミュータントの間に人権的格差が無いように感じられるが、ではスープの出汁ないし具材として使われてたミュータントたちは一体どういうことなのだろう?私は人類社会で人並みの生活を送るミュータントたちがいる一方で奴隷、いや家畜以下のように扱われてたミュータントたちも存在したのだと考えた。そのような扱いを受けてるミュータントをプレイ中に目にする機会があったからだ。

それはアークの室内で確認できる。
室内中央には液体で満たされた水槽が設置されおり、それぞれチューブでアーク内の各所と接続されている。

水槽に入れられた小型のミュータント

その水槽の中を覗くと固定されてるミュータントの姿を確認できる。ゲーム内でとくに言及されないが、この様子からアークの動力源にミュータントが使用されてると解釈できる。もしかするとミュータントの持つ「気」をエネルギー源として利用してるのかもしれない。
アークを製造したのはトクサノール社だ。彼らはミュータントの肉体を生体資源として利用してたと思われる。

人類繁栄の裏に隠された暗部が見えてきた。それもそうだ、大地がボロボロになるまで汚染を進行させ挙句の果てには見放した奴らだ。そんな人類の悪行を踏まえると、人並みの生活を送ってたと考えられるミュータントたちへの見方も考え直さなくてはいけない。

こうは考えられないだろうか。
ニュースを読み上げてたミュータントは人間の代わりに強制的に仕事を押し付けられており、労働の合間の息抜きとしてスポーツが許され、生体資源としての生産性を高めるためラジウムシロップを摂取させられてたのだとしたら。
そしてそれらの過酷な使役から一般市民の目を逸らすよう、市中の至るところに可愛さを強調するミュータントキャラを意図的に配置してたのだとしたら。それを知らない消費者、とくにちびっ子は喜んで商品に手を伸ばしたことだろう。

旧文明における人類とミュータントの共存の様子。その実態は汚染による産物すらも利己的に扱う、人類の業が渦巻く「終わりの始まり」だったのかもしれない。

諸悪の根源 トクサノール

受け継いだミュータントたち

旧文明の様子が見えてきたところで、その後どのようにして現在に至ったのか想像してみよう。

何かしらの原因による大崩壊の前に人類はアークで旅立ち、その際汚染まみれとなった大地にミュータントが残されたのは想像に難くない。私はその残されたミュータントたちが人類の一部の文化を継承した結果、現在のミュータント社会を形成していったのだと考えてる。

では彼らが受け継いだ文化とは何か?

旧文明の人類社会では少なくとも2つの文化が入り混じっていたのは間違いない。廃墟では英語の他にも謎の文字をよく目にする。漢字の象形文字のようなハングルのような、どこか東洋っぽさを彷彿とさせる文字だ。リアルにおける東洋とは別物だが便宜上この文字を使用する文化を東洋文化と表現させていただく。

1カ所の旧世界廃墟にて英語と東洋文字の2つが見つかることから、複数の文化が入り混じって1つの文化圏を形成していたと思われる。しかし実のところ見つかる文字は東洋のものが圧倒的に多い。東洋色が濃い文化圏だったのだろう。

ミュータントたちがそのような東洋色が濃い文化を継承したのは作品をプレイ済みであれば自明の理だろう。現ミュータント世界を見渡すとその痕跡を多く見ることができるからだ。戦闘術ワンフーだったり、装身具だったり、建築様式だったり、祈祷所だったりと、世界のそこかしこから東洋文化を感じ取ることができる。ゲーム中に幾度となく主張される光と闇の関係性は東洋の陰陽思想に通ずるし、気の概念は東洋の秘術そのものだ。
残されたミュータントたちが東洋色濃い文化を旧文明時代に吸収したのか、それとも遺産として残された文献から独学で学んだのか分からないが、その生活基盤には東洋文化が深く根づいてる。

人間サイズの本を読むミュータント。そこに記されてるのは英語ではない。意外と識字率が高いのかも

受け継いだのは文化だけではなくテクノロジーや知識もそうだろう。人間の代わりに労働を強いられていたことを考えるとそれは容易に思える。
中世的な生活を営むミュータントたちの現状を見るに、高度文明の継承とまではいかなかったようだが、ストーリー上で出会う一部のミュータントたちは機械工学に長けるなど素晴らしい技術を有しており、アウト・オブ・デイトに至っては宇宙船の操作方法を理解できてしまうことから現世ミュータントは旧文明の人類と何ら遜色ない基礎知識、そして頭脳を持ち合わせているのが伺い知れる。

また、武器やアドオンに旧文明の遺産を再利用しており、それらを独自の名称で呼称している様子が興味深い。荒廃した世界を生き抜いてきた彼らの豊かな発想力、知恵、逞しさが感じられる。

考察まとめ

ここまで導き出したバイオミュータントの歴史背景をまとめてみる。

  • トクサノール社による汚染が蔓延した結果ミュータントが誕生。
  • ミュータントを労働力や資源として利用した。(ここらへんは妄想の域)
  • 何かしらの原因により文明が終焉を迎える。人類がアークで星外へ脱出。
  • 残されたミュータントたちが旧文明の文化や技術を継承し独自の社会を形成。
  • 汚染が生命の樹を蝕み世界崩壊のカウントダウンが始まる。
  • ゲーム開始。

こんなところだろうか。まぁ勢いのまま半ば強引に進めたんでツッコミは許す(笑)。大きな鍵を握ってそうな生命の樹の考察なんかは無視しちゃってるんで、それを加味できればもっと面白い背景が見えてくるかも?

改めて思いましたが、ポストアポカリプスものにおける旧時代の痕跡というものは壮大なロマンを感じさせてくれる心ときめく要素であり、考察の余地をもたらしてくれるのが魅力でもあります。バイオミュータントはそこらへん含め大いに楽しめた作品です。この世界設定を継承した続編をプレイできる日が来るのを心待ちにしております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。