GOG.comがDRMフリーへの理解を深めるためのキャンペーンサイト「FCK DRM」公開

GOG.comが”DRMフリー”への理解を深めてもらうことを目的とするウェブサイト「FCK DRM」を立ち上げ、人々にDRMについての議論を喚起するキャンペーンを展開しています。

以下GOG.comによるアナウンス文になります。そこからFCK DRMの立ち上げに至った動機が見えてきます。

ゲームに対するDRMフリーというアプローチは当初からずっとGOG.comの中心にあります。 ゲームを購入した場合、それはあなたのものでなければならないと強く信じています。あなたのプレイに使い勝手の良さもたらす唯一の方法です。
状況は2008年(※)以来変わりました。今日、多くの人々はDRMが何を意味するのかを理解していません。 ゲームに対するDRMの問題は依然として残っています。いつ、そして何故、アクセスが妨げられて
れてしまっているのかあなたはわかっていない それはゲームだけでなく、書籍、音楽、映画、アプリも同様に影響を受けました。
DRMの意味、ゲームやその他のデジタルメディアへの影響、そしてDRMフリーによるアプローチのメリットについての理解を助けるため、FCK DRMという取り組みを開始します。 目標は、人々を教育し、DRMに関する議論を喚起することです。 詳細についてはhttps://fckdrm.comをご覧になり、DRMに関するあなたの意見や話題、どのような影響を受けたかをシェアしてください。

※GOGサービスオープンの年

DRMフリーとは何ぞや?という方はこちらの記事をご覧ください。

GOG.com最大の特徴「DRMフリー」とは?

FCK DRMサイトではGOGの他にもDRMフリーサービスを提供する各メディアが紹介されています。

なぜ”今”このキャンペーンを行うのか

個人的に気になってしまったのが、なぜ今、このタイミングでこのようなキャンペーンをGOGは始めたのか?ということ。アナウンス文からなんとなく読み取れる「ひと昔前とは違い、DRMへの意識が若いユーザーの出現によって希薄化してきた」というのもその疑問のひとつの答えだとは思いますが、今年2018年に起きた様々な出来事が今回のDRMフリー啓蒙キャンペーンに繋がっているような気がするんです。

  • EU圏でのGDPR(一般データ保護規則)施行
  • ビデオゲームでのユーザー監視プログラム使用の表面化による一部の反発
  • ドイツで発売日未定商品の予約は消費者保護の観点から禁止となる判決

上記の出来事はDRMとは直接的に関係はなく、今回のキャンペーンに絡めるのもいささか飛躍しているかもしれませんが、今年起きたこれらの出来事には「消費者、利用者の権利を取り戻す」という思いが形となって現れているという背景があります。このような機運が高まってきている今だからこそこのタイミングで、今年10周年という節目を迎えるGOGはFCK DRMを開始したのではないでしょうか。そんな気がしてなりません。

DRMは今後どうなるのか

私はDRMはいつかなくなると思っています。それはブロックチェーンによる応用が一般化するか、もしくは不正を防止する他の新技術の登場によるものかもしれません。いずれにせよ、現在DRMは依然として多数のデジタルコンテンツで施行されており、それが当たり前のようになってしまっているので、ユーザーは何ら疑問を持たず利用し続けています。でもGOGは動きました。DRMフリーの販売だけに留まらず、ついに外に向けて発信し始めました。なんとかしてDRMフリーが当たり前の世の中に変えたい、それには当たり前のようにDRMに浸かってるユーザーの意識から変えねば。そんな訴えがひしひしと伝わってきます。私もDRMフリーを支持しているのでこれからDRMフリーネタを増やしていきたいと考えています。