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『Corsair Cove』 レビュー

    
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『Corsair Cove』 レビュー

『Corsair Cove(コルセア・コーヴ)』をプレイしたのでレビュー。今回約52時間プレイしましたが、ほぼストーリーモードのクリアに費やした時間です。

※プレイするにあたりレビュー用SteamキーをHooded Horse様より御提供いただいております

Cosair Coveについて

広大な海賊のアジトをつくり上げ、艦隊を編成して大海原を探検し、王国に立ち向かい、海賊の時代を守り抜こう。エールからフリントロック銃、小悪党から凄腕剣士まで、複雑な生産ラインを管理し、荒くれ者の乗組員たちをまとめ上げて海の覇者となれ!

Steamストアページより引用

ジャンルストラテジー、シミュレーション、街づくり
日本語字幕あり
価格3,980円(Steam価格)
開発Limbic Entertainment
パブリッシャーHooded Horse

海賊になったのに、ずっと生産のことを考えている

「王国」による壊滅的な打撃を受け、無人島に流れ着いた海賊たち。彼らを束ね、島を要塞化し、大海原の覇者を目指す。そんな海賊団運営シミュレーションが楽しめるのが『Corsair Cove』です。

ゲームは大きく2つのパートで構成されています。ひとつは島を海賊アジトとして発展させていく建築パート、もうひとつは大海原へ繰り出しクエストに挑む遠征パートです。この2つは分離しておらず、リアルタイムで地続きに繋がっています。アジトの生産力を高めて出航の準備を整え、遠征で得た成果をさらなる発展に繋げる。そんな循環を繰り返しながら、海賊団を少しずつ大きくしていく構造です。

コンテンツ量はかなり豊富です。名声・帝国・航海・理念という4つの攻略スタイルを深めていくテックツリー、そのアンロックポイントを得られる多数のチャレンジ、多種多様なクエスト、激化する拠点防衛など、一見盛りだくさんですが、さほど煩雑には感じません。見慣れたシステムが多く、相性もいいので、すぐに理解できるはずです。

アンロックポイントを得られるチャレンジ要素が多く用意されている。テックツリーでアンロックポイントを消費することで生産能力が上昇する

プレイしていると、とにかく生産網の存在を強く意識させられます。ゲームを進めるには遠征時のクエストのクリアが必要で、そのためには強力な船が、強力な船には優秀な船乗りが、そして船乗りの雇用を維持するには様々な物資が必要になります。このプロセスを突き詰めていくと最終的には「いかに必要物資を効率的に供給できるか」に行き着きます。これがゲーム全体を支える土台であり、プレイヤーに与えられる課題でもあります。

本作における効率的な供給とは、施設同士を最適な形で接続するということです。生産施設や倉庫を通路や橋で繋ぐと、そこを運搬者が行き交い、血液のように物資を接続先へ届けてくれます。彼らが無駄なくスピーディーに動ければ供給は安定する。理屈はシンプルですが、実際はそう甘くありません。

舞台となる島は、物流を築くにはあまりにも不向きな地形をしています。起伏が非常に激しく、陸地は飛び飛びで、希少資源は遠方に眠っています。フリーモードでは3種の島から選べますが、いずれも千巌万壑と呼びたくなる複雑さです。プレイして間もない頃はこの地形の複雑さにワクワクさせられるのですが、生産の工程や拠点数が増えてくると、一転して悩みのタネに変わります。最短距離で生産網を築くのが最適解だとわかっていても、地形がそれを許してくれないのです。

この難題を攻略するカギが、縦軸方向への建築です。施設や通路は、絶壁の岩肌だろうが山の頂上だろうが、水上以外であればかなり自由に配置できます。また、高低差を無視できるエレベーターや、一気に距離を詰められるジップラインなど、難所の突破を助けてくれる強力で痛快な移動ツールも用意されています。これらを駆使して縦にも横にも自分なりの生産ラインを組み上げていくのは、本作ならではのユニークな体験です。そんな自由度が高く、見た目にも映えるシティビルディングは、ジャンルのファンにとって間違いなく刺さるポイントでしょう。

ただし、このユニークさには代償もあります。供給が複雑化するほど、状況把握が難しくなるのです。とくに視覚面での問題が顕著で、過密エリアはまるでこんがらがった配線です。「このスペースには何が置けるのか」「通路はどこからどこへ繋がっているのか」「あの施設はどこに置いたっけ」など視認のしづらさからくる問題が生じ、確認作業に時間を取られるようになります。誤って消してしまった通路も多々ありました。その無秩序さは、まぁ…海賊らしいっちゃ海賊らしいのかもしれません(笑)

とは言え、基本的な建築コストがかなり低く設定されているため、試行錯誤しやすいのは好印象です。おかげで建築計画を誤ったり、突発イベントで大きな痛手を受けるなどして、後手に回る展開になっても、ストーリーモードでは十分建て直せる難易度に収まっています。そのため、まずはストーリーモードで感覚を掴み、ある程度の計画性を以てフリーモードで本番に挑む、という流れがよさそうです。

さて、生産網づくりと並ぶもうひとつの柱が遠征です。戦闘、略奪、探検といった海賊行為を通じて戦利品を持ち帰ったり、クエストをこなしたりするのが主な目的です。メインクエストを進めれば物語が進行し、マップを探索するほど遠征先が増えていきます。

特徴的なのが、クエストの要所で発生するターン制のバトルシステムです。船や船員を直接操作するのではなく、いくつかの選択肢から行動を選ぶ、駆け引き重視のコマンド式になっています。さらに、選択した行動の結果は同時に振られるダイスの出目によって変動するという仕組みです。

面白いのは、その際に船に積んでる物資や乗員までもがリソースとして扱われること。行動によっては物資を消費したり、人員を失ったりするため、目の前のバトルをどう攻略するかだけでなく、行きと帰りの行程も踏まえて総合的に行動選択を判断する必要があります。こうしたリソース管理が、遠征パートにおけるプレイヤーの主な仕事と言えるでしょう。

また、海戦だけでなく、遺跡の探索や密輸任務などクエストの内容は様々ですが、基本となるターン制のルールは一貫しています。異なるシチュエーションを同じやり方で処理するというシンプル設計を採用することで、分かりやすさが保たれています。

ただ、その一方で、このシンプルさが弱点にもなっています。クエストの種類が変わっても基本的なやり取りは変わらないため、遊び方のパターンを掴んでしまうと次第に形骸化します。分かりやすい反面、遠征を繰り返したくなるだけの変化に乏しく、ゲーム後半ではその単調さが目立ちました。

クエストへ挑戦する上で重要になってくるのが、船の運用です。船のタイプや船長の能力にはクエストとの相性があり、乗員数によって船体能力も底上げされます。さらに、船のタイプや船員の構成によって必要となる物資も大きく変わってきます。

つまり、どのような船を運用するかによって必要な生産ラインが変わり、逆に遠征の方針は、現在の供給体制に大きく左右されるわけです。この相互関係の中で供給網を見直し、複雑な地形と折り合いをつけながら、生産の効率を突き詰めていく。この点に本作ならではの考える面白さが詰まっていると感じました。

まとめ

本作は生産網の構築に焦点を当てた海賊シミュレーションゲームであり、航海や貿易といった海賊らしいテーマはそのガーニッシュに留まっている印象です。そこを押さえてさえいれば、かなり満足できる体験ができると思います。縦軸の発想を加えられる建築要素と、それを船の運用にまで波及させていくチェーン全体の流れを考えるのが難しくも面白い部分です。

本作にはその一体感を感じられる多くの要素が解禁されるところまでを体験できるデモ版も配信されているので、気になる方は一度確認してみてはいかがでしょうか。

Cosair Cove 体験版(Steam)https://store.steampowered.com/app/3858730/Corsair_Cove


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