『ヨッシーとフカシギの図鑑』レビュー
Nintendo Switch 2ソフト『ヨッシーとフカシギの図鑑』をクリアしたのでレビュー!
本作はスーパーマリオシリーズでおなじみのヨッシーを主役とした2Dプラットフォーマーの最新作です。しかし、実際にプレイしてみると、その印象は一般的なアクションゲームとは大きく異なりました。
商品情報
| 対応プラットフォーム | Nintendo Switch 2 |
| プレイ人数 | 1人 |
| 価格 | ダウンロード版6,980 円(税込) パッケージ版7,980 円(税込) |
『ヨッシーとフカシギの図鑑』公式サイト
ヨッシーを使って多彩な遊びに挑戦する「アイデアの見本市」
ヨッシーは、ひょんなことから「フカシギ」と名乗る不思議な図鑑の中へ入り込み、様々な生き物の生態を調査しながら、白紙の図鑑を埋めていくことになります。具体的には、各ステージに生息する動植物や環境へ様々なアクションを試み、その特徴や隠された秘密を発見していくという内容です。

ヨッシーが使えるアクションは、「食べる」「ふんばりジャンプ」「タマゴ投げ」「しっぽ振り」の4種類。ほとんどがシリーズおなじみの伝統的なアクションであり、過去作を遊んだことがある方なら操作にはすぐ馴染めるでしょう。
ただ、本作ではそれらを敵を倒すために使う場面はほとんどありません。一部ボス戦こそ存在するものの、ゲーム全体を通しての目的は戦闘ではなく、ステージに隠された秘密を解き明かすことです。プレイ中に考えるのは、「あそこへタマゴを投げたら何が起こるだろう」「あの高い場所へ行く方法はないだろうか」といったことばかり。敵を撃破するテクニックよりも、ステージを観察し、仮説を立て、試してみる好奇心こそが、本作の攻略法になります。

例えば、「マッキーさん」というカタツムリが登場します。どこか間の抜けた表情をした生き物ですが、触れると体が棒状に伸び、しなやかなバネへと姿を変えます。この性質を利用すればジャンプ台として使えるほか、タマゴをぶつけて勢いよく跳ね飛ばしたり、さらには避雷針として雷を受け止めてもらったりと、一種類だけでも驚くほど多彩な活用方法が用意されています。
もちろん、これはほんの一例です。詳しく書くとネタバレになってしまうため控えますが、各ステージにはマッキーさんのように予想外の特徴を持った生き物たちが数多く登場します。彼らの使い道やリアクションには驚かされる場面が何度もあり、開発陣の豊かなアイデアには感心させられます。そしてプレイヤーも、そのアイデアに応える形で、多くの秘密を見つけ出さなければなりません。

このように、まず生き物の特徴を把握し、次にその性質を利用して各所を調査、攻略していくという流れで進行します。このゲームデザインには、限られたルールを発展させ、環境との相互作用から答えを導き出していくパズルゲームのような面白さが感じられます。もっとも、それは考え込むような頭脳パズルではなく、あくまでもアクションゲームの延長線上にある、体当たりによる発見です。
この遊びを後押ししているのが、本作の仕様です。ジャンプアクションが基本でありながら、ダメージや落下によるペナルティはありません。操作ミスを恐れることなく、思いつくままに体当たりを試せます。心理的ハードルを下げ、試行錯誤そのものを楽しんでほしいという意図が伝わってくる設計です。
もう一点、興味深いのが、ステージ開始時にはゴールすら存在しないことです。プレイヤーはゴールの場所も、出現条件もわからないままステージへ放り込まれます。どこかに隠された秘密を発見したとき、初めてゴールへの道が開かれるのです。

つまり、本作がプレイヤーに求めているのは、失敗を回避しようとする慎重さや、タスク消化を目指して直線的にプレイすることではなく、「思い思いに遊び尽くすこと」なのです。このテーマこそが、本作ならではの魅力だと思います。ゴールを目指し、敵を倒して先を進む通常のプラットフォーマーとは一味違う作品を探してる方には、ぜひ一度体験してほしい作品です。
近年の任天堂タイトルには、おなじみのキャラクターやシリーズを用いながらも、その根底にある「遊び」をもう一度組み立て直そうとする、どこか実験的な空気を感じます。昨年リリースされた『ドンキーコング バナンザ』もそうでしたが、本作からも同じような印象を受けました。
本作は、ヨッシーという長年親しまれてきたキャラクターを使った「アイデア見本市」とでも呼びたくなる作品です。各ステージで次々と新しいアイデアに出会い、リラックスしながら探り探り遊びを深堀っていく。私はこのスタイルが気に入りました。ぜひ、この方向性の続編を見てみたい。そんな期待を抱かせてくれる一本でした。