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『OPUS 星歌の響き -Full Bloom Edition-』クリアしてみた

  
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『OPUS 星歌の響き -Full Bloom Edition-』クリア...

軽くネタバレあり!

OPUSシリーズ連続プレイ企画(?)三作目となる『OPUS 星歌の響き(OPUS: Echo of Starsong) -Full Bloom Edition-』をクリアしました。

まず、ビジュアルもサウンドも演出もボリュームも全てがパワーアップしているのにおったまげ。片手で数えられるくらいのキャラクターしか登場せず、数時間程度でクリアできた小規模作品だったこれまでとは打って変わり、多くのキャラクターが登場し、クリアまで10時間以上要し、しかも日本語吹き替えだってんだから、こりゃ偉業と言っても差し支えないんじゃないでしょうか。二段飛ばしくらいでレベルアップを果たした印象を受けました。

物語も前作よりスケールアップしており、宇宙を股に掛けるスペースオペラが展開。銀河歴の時系列で言うとシリーズ最古の時代になります(銀河歴8,500年代)。「巫女」や霊魂といった過去作との繋がりを感じさせる要素が登場する他、シリーズファンならにんまりできるサプライズも用意されてました。

シリーズものではあるが作品間の関連性は薄く、どのタイトルも99%くらいは独立してるので、どれから取り掛かっても楽しめる

人々がスペースコロニーなどで暮らし、宇宙規模の大戦が当たり前にある世界観ではあるものの、ベースにあるのは風水や道教といった東洋の宗教観で、漢字だらけの専門用語がバリバリ出てきます。この東洋宇宙観と言えばいいのか、台湾のデベロッパならではの設定が新鮮で、私が本作で一番気に入ったポイントでもあります。その背景もがっちり練られており、これまでの作品同様にゲーム内で集めた資料から歴史の一端を考察できます。

次にゲームシステムについて。今作はテキストベースの航海パートと、「龍脈」と呼ばれる小惑星を攻略する探索パートを交互に繰り返す形になっています。航海パートではレーダー探査によって居住地や遺跡を探り当て、移動先でいくつものイベントと遭遇します。イベント中に提示される選択はTRPGのように乱数判定で異なる結果となる場合が多々あり、これが案外スリリングで楽しめました。また、船の燃料や資源の残数と相談しながら行き先を考える必要があるんですが、その点は前作にもあった制限を伴う行程の要素に通じる点だと感じました。

探索パートはメインストーリーを進行させる上で必須となるアクションパート。といってもキャラを歩かせて手掛かりを得たり、仕掛けを解いていくというシンプルなもの。パズルと呼べるほど手応えのある仕掛けは無く、ステージも一本道なのでこのパートは少し退屈でした。一作目の推理要素、二作目のスカベンジングと比べて、今作のゲーム体験はやや淡白な印象です。

ですが、それを補って余りあるドラマチックなストーリーと濃密な世界観が大きな支えになってくれました。やはりそこがメインディッシュなのだと思います。結末はイントロの時点で誰しもあらかた察しがつくとは思いますが、それが無くともラストまで惹きつけられるものになっていました。過去作よりも複雑で長尺なストーリーであるにも関わらず、これまで同様脇目も振らない端麗な仕上がりとなっており、宇宙という材料をちゃんと決定打に持ってくる、その構成力とバランス感覚はさすがSIGONOさんやと改めて感じた次第です。

最後に、三作プレイして把握できたシリーズで一貫してる要素、つまりOPUSの背骨はこんな感じかと。

  • ボーイミーツガール
  • 「探しもの」を通して自分探し=成長が描かれる
  • 果たすべき約束がある
  • 時間と場所を超える、見えないものとの繋がり
  • 考証し甲斐のある世界観
  • 開発者様によるクリア後の作品解説

今年リリース予定の4作目「Prism Peak」はどんな感じなんでしょうか?ここまできたらやるしかないよね。楽しみです😋

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