【先行プレイ】ローグライト・オートバトラー『He is Coming』をプレイしてみた
アイツが…アイツがやってくるぅ!
7月17日にSteamにて早期アクセス開始となる『He is Coming(ヒー・イズ・カミング)』を先行プレイさせていただきました。
本作をプレイするにあたりHooded Horse様よりSteamキーを御提供いただいております。
概要
3日ごとに30体のボスの中から1体が選び出され、襲いかかってくる。各ボスの強みと固有能力を把握し、それに応じてあなたのビルドを調整しよう。領域内を探索してこの強力な敵に対抗するために最適な武器、装備を手に入れよう。しかしこの夜になると徘徊しだす他の魔物たちにも注意が必要だ。限られた時間をあなたは何に使う?古代の炉を発見して武器を強化するのか、強欲な商人たちに大金を支払って希少な装飾品を買い求めるのか、それとも強力な鎧、魔法の盾を探し出すか。その次に来る脅威に対する備えも見据えながら、今日襲ってくる強力なボスに備えてできる限りの準備を整え、そして各領域の守護者たちを撃破するのだ。その戦いの果てに、やがて魔王その人があなたの前に姿を現すだろう。
Steamストアページより引用
ゲームコンテンツ
■ 350種類以上のアイテムから生み出される強力なコンボ
■ 3日ごとにプレイヤーを襲う30種類以上のボス
■ 非同期型マルチプレイヤー:「Kingmaker」モードでは、クラウドにアップロードされた他プレイヤーが生み出した強力なヒーローたちがボスとして立ちはだかる
■ 2種類のバイオーム(それぞれに固有のモンスターなどが存在)
■ 新たなインタラクションやマップメカニズムも実装
■ ゲームごとに異なる開始条件や異なる戦略を試すことができるメタ進行要素
| ジャンル | RPG、ローグライト、オートバトラー |
| 対応プラットフォーム | PC |
| 日本語対応 | 字幕あり |
| 開発 | Chronocle |
| パブリッシャー | Hooded Horse |
全てはビルドに懸かっている!RPGテイストのローグライト・オートバトラー
| プレイ時間 | 8時間 |
3日目、6日目、9日目…『He is Coming』は3日おきにボスが襲来する、決戦不可避のローグライトゲームです。戦闘はオート進行ですが、それ以外はプレイヤーの手に委ねられており、「ボス戦が始まるまでに効果的なビルドを組めるか」がプレイヤーに課せられたテーマになります。本稿では探索、戦闘、プログレッションの3つの要素に整理し、プレイを通じて把握できたことを綴っていきます。
探索について
勇者の旅路は自宅から。ゲーム内時間は操作キャラの移動に合わせて刻々と経過します。昼と夜が繰り返され、3日目の夜が来るとボスの足音がズンズンと聞こえ始め、夜明け間際に差し掛かったところで1回目のボス戦が強制スタート!という流れです。それまでにランダム生成されたマップを歩き回り、ボスを迎え撃つ準備を整えます。


最初に書いてしまうと、マップ探索の目的とはボス戦に向けたビルドの構築であり、それこそが本作のメインです。そしてビルド構成の大部分は武器や防具といった装備品に依存します。なぜなら成長システムやスキル取得といった要素が無いから。つまりマップを探索する上で重視すべきは「装備品探し」になります。
その基本となるのが、マップのあちこちに配置されている宝箱からの入手。中身はランダムの三択となり、取り直しは不可。装備スロットの数は限られているため、何度も取捨選択を行いながら少しずつ理想のビルドに近づけていくしかありません。

また、マップには装備品の入手だけではない役立つサービスがいくつも点在しています。これらの利用も戦略の一つです。
- 行商人 – アイテムを購入できる
- ゴーレム – 同じアイテムを合成
- 大釜 – 「食料」属性のアイテムを合成
- 妖精 – 同じレアリティのアイテムに変換
- 鍛冶屋 – 武器に特殊効果付与
- オイル – ステータス値追加
- 看板 – 看板間でファストトラベルできる
- その他にも色々あるよ

道中で見つかるアイテムにはステータス値を上げるだけでない様々な特性が用意されており、そのユニークさをどのように活かすか考えるのがプレイしていて面白いところです。とくに「ターン開始時」や「被ダメ時」など、効果の発動タイミングにフォーカスする特性が多く用意されており、オートバトルながら「段取り」を強く意識したビルドの構築は新鮮でした。
しかしどれだけビルドを練ったとしても、無策では30種類もいるボスへの勝ち筋はなかなか見出せません。そこで役立つのが「次に来るボスの能力を事前に確認できる」機能。これを利用すればビルドの指針を立てられます。

例えば、「裂爪のグリズリー」というボスがいます。このボスは防御力を無視する攻撃をしてくるので、自身の防御力をいくら上げようが無意味だということが解ります。その点を考慮することで上げるべきステータスや優先すべき装備の方向性を絞れるというわけです。次に来るボスを確認できるだけの単純な機能ですが、3日間の内容を左右する要であり、戦略性を一層深めてくれる施策と言えます。
戦闘について
マップには道を塞ぐ厄介なモンスターもいます。彼らは日中その場から動くことはありませんが、夜間になるとプレイヤーを追跡し出すので注意が必要。昼夜で異なる緊張感が探索にメリハリを与えます。
マップでモンスターに接触すると戦闘画面へ移行。戦闘は以下のルールに基づきオートで進行します。
- ターン制
- 攻撃順は「素早さ」の値で決まる
- ダメージはまず「防御力」に入る
- 防御力がゼロになるとHPがダメージを受ける
- 失った防御力は戦闘後に回復する
- 装備スロットに割り当てられた番号順に効果が発動する
戦闘で傷ついてしまっても焚き火か自宅であれば休んで全快できますが、夜間限定となるため計画的な往訪が求められます。ボス戦に向けたケアもまた重要な戦略の一つです。

お互いがターンごとにぶん殴るだけのシンプルな戦闘ゆえに装備の性能、ひいてはビルドの効果が如実に表れます。ビルド次第で、ダメージを与える手段、身を守る手段はいくつも得られ、前述の通りその発動タイミングが生存の鍵を握ります。
プログレッション要素について
ローグライトの醍醐味は何度も挑んでは振出しに戻り、そのたびに少しずつ有効な戦術を学んでいくところにあります。しかし、ただ繰り返すだけではなく、攻略を確かなものにしてくれる“プログレッション”も欠かせません。
本作では「チャレンジ」のクリアがそれに当たります。道中、特定の条件を達成することで、強力な新アイテムが登場するようになり、次周以降のプレイにもそれが引き継がれるというものです。

グリッド状に並んだチャレンジ一覧画面を確認してもチャレンジ内容は伏せられてますが、ユニークなところは、隣接するチャレンジを2つ以上クリアすると内容が開示されるという点。そのようなちょっとしたルールは、条件を追うだけ、という単調になりがちなタスクに目標を与えます。それに加え、新たに開示されるチャレンジの内容はビルドのヒントに繋がるものばかり。チャレンジを狙う動機付けが、プレイヤーのモチベーションをしっかりと支えてくれるでしょう。
感想
“オートバトル”と”3日おきの決戦”が刻むリズムは実にテンポよく、結果はどうあれ高回転な冒険が楽しめます。それに加え、挑戦の度にビルド、ボス対策、探索などいろんな面での発見が多く、「あともう1回」と再び始めたくなってしまう面白さがあります。
難易度に関してはなかなか難しく、アイテムを引き当てる運に左右されるところが大きいです。うまく手繰り寄せることができれば俺ツエーできますが、バイオームの真打は本当に強力なのでトライ&エラーは必至です。まずは焦らず、チャレンジのクリアを中心にプレイするといいかもしれません。
また、プレイを繰り返す中で知識を蓄え、自信満々のビルドができれば、3日待たずとも任意のタイミングでボスに挑むことも可能。ぜひこちらからカミングしてやりましょう。
今回はゲームの基本にのみ触れましたが、「キングメイカーモード」という対戦型の非同期マルチプレイも用意されています。他プレイヤーのビルドが襲ってくる、予測不可能なプレイが待っています。
早期アクセス期間は1年の予定とのことで、更なるコンテンツ追加も予定されているそう。『He is Coming(ヒー・イズ・カミング)』は7月17日リリース予定です。