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【祝正式リリース】工場自動化×探索『Oddsparks: An Automation Adventure』をプレイしてみた

  
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【祝正式リリース】工場自動化×探索『Oddsparks: An Auto...

5月28日に早期アクセスを終え正式リリースを迎えた『Oddsparks: An Automation Adventure』をプレイしてみた!

本作をプレイするにあたりTHQ Nordic Japan様よりSteamキーを御提供いただいております。

概要

  • ソロプレイもオンライン協力プレイ(公式サポートは4人までですが、上限なし)も可能。シンプルなホスト&参加システムで、どのフレンドのゲームにも簡単に参加・退出できます。
  • アイテムとスパークを運ぶ大規模な自動化&物流ネットワークを作りましょう。
  • センサー、ワイヤー、ゲート、アクション/イベント、スイッチなどの物流管理ツールを備えた高度なロジックシステムを活用できます。
  • 長距離移動や高山登りにも対応できる、包括的な高架Spark列車システムを構築しましょう!
  • 村人からのクエストをクリアし、新しい建築物をアンロックして村の発展を見守りましょう。
  • 新しい防衛ツールを使って、ワークショップを次々と襲う汚染から守るための基地防衛システムを構築しましょう。
  • 自動生成された世界を探索し、多様で独特なバイオームや変わった敵、忘れ去られた遺跡を間近で見ましょう。
  • 自分のキャラクターをカスタマイズできるアイテムをアンロックし、個性をアピールしましょう。
  • ワールド設定をカスタマイズして、チャレンジレベルを調整したり、自動化機能をアンロックしたり、テラフォーミングツールを使用したりできます。
  • ゲームパッドでもマウス&キーボードでもプレイ可能。
  • 誰もが遊べるデザインに加えて、アクセシビリティ機能でさらにサポート。マウス&キーボードとゲームパッド、どちらも再割り当て機能などを備えています。
  • スパークは撫でることができます!

Steamストアページより引用

ジャンルアドベンチャー
日本語の有無字幕あり
価格¥3,589(Steam参考)
配信プラットフォームPlayStation5
Xbox Series X|S
Steam
開発Massive Miniteam
パブリッシャーHandyGames
正式リリーストレーラー

かわいいミニオンと挑む自動化と冒険のサイクル

プレイ時間約40時間

一見すると「なんかちいさくてかわいいやつら」が蠢くその様から、カジュアルな印象を抱くであろう本作ですが、その実態は一筋縄ではいかない挑戦的で奥が深い工場自動化ゲームでした。

今回はプレイしてわかったこと、感じたことなどを綴っていきます。まずはスパークを操るRTSパートと、プレイヤーの手で構築する工場管理パート、本作の要となるその2つの要素に触れ、後半はもうちょいフォーカスします。

スパークとは?

本作の第二の主役とも言えるのが「スパーク」と呼ばれるミニオンたち。その可愛らしい見た目と声に誰しも魅了されるはず。通常、スパークはアイテムとしてインベントリに収まっていますが、主人公に装備させることで生命体として実体化します。プレイヤーは彼らを率いて、バイオームの探索や戦闘を行います。

本作はストアで「リアルタイムストラテジー」とも紹介されていますが、実際にプレイヤーが執る指揮は非常にシンプル。プレイヤーはスパークの移動先を指定し、「突撃」「帰還」といった簡単な号令を掛けるだけで、あとはスパークが状況に応じて採集や攻撃など適切な行動を選んでくれます。このスパークの自律性とシンプル操作のおかげで直感的にスパークの群れを操れます。

さらにスパークは単なる冒険や戦闘の手駒というだけでなく、プレイヤーが作った工場における労働力としても活躍します。

スパークは「運搬向き」「採集向き」「戦闘向き」などいくつかのタイプに分かれている

工場管理について

工場生産のフローは自動化ゲームお馴染みの流れ「資源調達→運搬→加工→保管」を踏襲しています。広大なフィールドに点在する一次資源を探し出し、適切な位置に適切な施設を設置して、それらを道路で繋げて供給ラインを構築します。

作業と運搬はスパークが担い、彼らが持つ「休むことなく働き続ける特性」と「得意な作業」を活かして、生産から納品へと至る供給網を自動化へと導きます。そうして効率的に大量生産をこなさないと、発注元である村人からの無茶ぶり、もとい御依頼に応えるのは至難の業です。村人たちの「〇〇を〇個つくれ」といった要求はどんどんエスカレートしていきますから。

村人からの注文を達成すると新たなレシピや施設がアンロックされ「作れるもの」「できること」のバリエーションが増えます。そんな小さな産業革命はステップアップをもたらすと同時に、ラインの拡張や見直し、新たな資源探しといった課題を投げかけます。

公式スクリーンショットから

一筋縄ではいかない物流の設計

自らの手で行う供給ラインの構築は自動化ジャンルならではの面白さの一つですが、その中でも本作は「物流」が一際面白く、取り扱いが難しい部分でもあります。物流を二つの要素に整理してみました。

【物流】ハード面

物流のハード面とは、材料の運搬ルートとなる「道路」のことです。以下のような特徴があります。

  • 自動化ゲームでよく採用されるベルトコンベアではなく「対面通行の片側一車線道路」が採用されている
  • スパークは基本的に道路上をキープライトで「往復」する
  • 基礎となる「土の道路」は無料で敷設可能。コストを気にすることなく、何度でも試行錯誤を繰り返せる

このような仕組みを有する道路をどのように伸ばしてルートを築くかが終始課題となります。

というのも、本作のフィールドは高低差が激しく、入り組んだ地形が多いのです。壁や崖といった自然の障害物が、ルートを構築する際の物理的制約としてプレイヤーの前に立ちはだかります。さらに、ゲームの進行とともに必要となる資源がどんどん遠方へと広がっていくため、ルートの設計難易度は徐々に上昇していきます。

ここで求められるのは観察力とアイデアです。地形や距離を乗り越えるための手段として、エレベーターやリフト、そして長距離輸送を可能にする機関車といった輸送設備が用意されています。これらの設備をどこにどのように設置して繋げるのか――自らのアイデアを形にしていく作業は試行錯誤の連続ですが、その過程は個人的に非常にやりがいが感じられました。とくに、苦心して構築した物流網がうまく機能しはじめた瞬間は、数時間分の努力がすべて報われたような達成感を味わえます。

しかし一方で、本作の複雑な地形が設計の自由を限定することや、マップ生成時の環境によって攻略のしやすさが変化することも事実です。この点は、プレイする上で印象に関わる要素として踏まえておくべきでしょう。

公式スクリーンショットから

【物流】ソフト面

ハード面が物理的なインフラだとすれば、物流のソフト面とは、その上で運搬作業を行うスパークと、彼らの通行を管理・制御する仕組みを指します。

前述のように、本作の道路は「対面通行の片側一車線道路」となっており、スパークは「往路」と「復路」をぐるぐる回り続けます。プレイヤーに求められるのは、このルールの中でいかに効率よくスパークの通行をコントロールし、物流を最適化するかという点です。分岐や交差点の設計から、スパーク数の調整、拡張する度に生じるスループットの見直しやボトルネックの解消など、考えるべきことは単純な道路敷設にとどまりません。

その一助となるのが、施設の稼働やスパークの通行の制御を可能にする「論理回路」。上級者向けであり必須ではありませんが、利用することで供給網内のバラバラな要素をイベント駆動で連携可能です。例えば、スパークがA地点を通過したらB地点が通行不能になる、プレイヤーがスイッチAを起動させるとBの施設が稼働停止するなど。

回路化には知識が必要ですが、活用できれば高度な物流制御が実現できる、挑戦しがいのある要素です。

公式スクリーンショットから

内と外のサイクル

本作は「工場の管理(内向き)」と「土地の探索(外向き)」という、2つの活動を交互に繰り返すことで進展します。この内と外のサイクルが、本作における停滞感の回避やプレイヤーの集中力の維持に効果的に機能しています。

工場管理は生産ラインの効率化や物流の設計といった、比較的ストイックな作業です。この効率化作業は頭を使うものの達成感を得やすいです。しかし前述した通り制約もある上、複雑化していく一方なのでいずれボトルネックなどが起因し、停滞を感じる可能性があります。

ですが、本作には外向きの活動というもう一つの遊び場が用意されています。多様なバイオームに様々な敵が闊歩しており、足りなくなった資源を探しに行くこと自体がちょっとした冒険です。

探索中には自然と新たな発見があり、それが次のライン設計のヒントになったり、新たな生産目標になったりします。また、探索の過程で地形を知り、物流ルートを再考するきっかけが生まれます。このように探索活動があるおかげで、工場の改善作業が続いても自然に気分転換が可能となりメリハリが生まれるのです。

洞窟もあるよ

この内向き・外向きのサイクルを貫く軸となるのがスパークであり、そのサイクルを活性化させる動機にもなっています。スパークは工場で作られる消耗品であり、戦闘で倒されることもあれば材料として消費されることもありますが、その一方で運搬や作業員、資源の採集に必須の存在です。

つまりスパークは工場の稼働にも、探索や戦闘にも欠かせない存在であり、この二つの活動を密接に結びつける役割を果たしています。資源探索を円滑に進めるにはスパークの安定供給が必要で、そのスパークを供給するには工場が効率よく稼働している必要がある。こうした相互依存関係が、ゲームプレイに適度な緊張感と目標設定を与えてくれます。

感想

これまで取り上げてきた仕組みなどはあくまでも基本的なもので、ゲーム後半から温度管理やスパークの多様化、バイオームや敵の危険性など、あらゆる面がさらに複雑化します。そんな課題に立ち向かいながらスパークたちと共にラインを試行錯誤する日々は、次から次へとやることが尽きず、気づけばあっという間に時間が過ぎてしまうほどでした。

自動化や効率化に関してはプレイヤーに課せられる宿題ではありますが、そこにどれくらい突っ込むかの濃淡はプレイヤーそれぞれ。そういったものは程々に、マイペースにプレイできるのも魅力の一つだと思います。

今回Co-opはしませんでしたが、それも可能だという点は強調しておきたいです。複数人であれば広大なマップを存分に活かせるし役割分担ができます。マップ全体にわたる集積化も夢ではないかもしれません。

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